【読む】ティム・オブライエン「本当の戦争の話をしよう」(村上春樹訳)  馬場あき子「式子内親王」

先日、『シドクⅡ』の初校ゲラに当るものが届いたので、少しずつチェックしている。集中力を費やすようで疲れるので、一度にたくさんは読めないのだネ。だから投稿論文のチェック依頼に応えながら、自著のチェックを続けている。先日は一両日中にチェックするように言ってきたランボー者もいたけど、縁の深い仲間だから応じたヨ。その直後に届いた投稿論は2週間の猶予をくれたので、自著の作業が終るのを待ってからにするつもり。というわけで、他にもその手の依頼があれば遠慮なくどうぞ!

 

チェックに頭が疲れると読みやすい小説を読むことが多いけど、最近はオブライエン「本当の戦争の話をしよう」が気に入っている。むかし安価で手に入れたものだけど、放送大学の「世界文学への招待」の第3回で藤井さんという人が紹介していたので読む気になったもの。翻訳が村上春樹のせいか、とても読みやすいし、ベトナムの戦場とアメリカ兵の様子がとてもよく伝わってくる。文庫もあるのかどうかは知らないけど、ブックオフで見かけたらゲットして読むことをおススメします。イイ作品です!

 

その他では、新年早々読み始めたものの暫く放置してあった馬場あき子「式子内親王」を読み続けている。未知の人たちが次々と出てくるし、和歌も出てくるのですぐに理解して読み進めるというわけにはいかないので、時間がかかる。「英雄たちの選択」の録画の中から崇徳上皇だったか鳥羽上皇だったかの番組を見なおしたら、人物関係が分かってきたので馬場本が分かりやすくなった。それでも貴族の漢文対の日記が原文だけ引用されることもあって難しいので、スピードは遅くなる。馬場の「式子内親王」を反面教師にして、『シドクⅡ』は読者に伝わりやすいように種々手を加えているところ。

馬場本はハルキの訳本ほど分かりやすくないので、頭に余裕がある時に読み続けています。