【年賀状より】『シドクⅡ』の装丁・金城画伯の絵  『シドクⅡ』の読後感  出版記念会  『学芸 国語国文学』退職記念号  

 定時制高校教員以来の同齢の友人で、学大書道科を出て書のみならず絵心(デザイン)もあるテツが、『シドクⅡ』のカヴァー絵を解釈・絶賛してくれて嬉しい。

 《デフォルメされた病的なユビが4人の作家を指している。これもシドク(四読?)のメタファーか。いい表紙だ。》

 意外な解釈だと驚いたけど、言われてみればそうも言えるというところがテツらしい。

 《ご著書、一気に読み終えました。》と付してきたのはダンちゃん(エバラギ県の学大卒の女性教員)らしくて笑えた。ユウ君に言わせると、似合わない高速車を乗り回すダンちゃんは、読むスピードもハンパナイようだネ。ダンちゃんが檀一雄論をどう読んだかを聞きたくなるネ、語呂合わせだけだけど。ダンちゃんは《金閣寺論、懐かしいです。卒論の直前に読ませていただいた時の衝撃を思い出しました。》と続けてくれているけど、ダンちゃんのみならず専門の研究者でも「金閣寺」論を褒めてくれた人が複数いたので嬉しかったナ、学部2年目くらいの時に書いたものだからネ。

 参加できなかった仲間から、2人が『シドクⅡ』をネットで買うと付してくれたのは不可解だったね。ネットの世界に無知なせいだろうけど、出たばかりの本がすぐにネット上に出回るという感覚が伝わってこないのだネ。

 

 出版記念会のことを付してくれたのがタマちゃんで、30分遅れたせいか変更前の教室に行ったら真っ暗でキツネにつままれた気分だったと言う(ヒッキ―先生が変更先の教室の番号を板書してくれたはずだけど)。聖心女子大院の修了生だけど、参加してくれたのは学大で授業を担当してくれたこともある木村陽子センセイ他1人だけだったので、タマちゃんも揃えば狙いだった「同窓会」が一段と盛り上がったろうにネ。

 

 なぜか5年前の『学芸 国語国文学』の退官記念論文集の《充実ぶりも含めて味読しております。》と記してくれたのは、岐阜大の根岸(亀岡)センセイ(東大院の後輩)。こういう論文はなかなか読んでくれる人がいないところを、根岸さんは丁寧に読んでくれているようで、ものすごく嬉しい。当人のボクが雑誌が出た当初は読む気十分で、読後感を書いたり・論じられている作品をゲットして準備したりしたものの、その後は滞ったままで罪悪感を持続させているからだ。急に法政院の授業を担当することになったり、自著の出版の作業に入ったりしたせいもあるけれど、そもそもボクの苦手な現代小説ばかり論じられているので、当の作品を読もうという気持になれないのがネックだネ。でも本を出した以上、逃げ口上ばかり言ってられないので、読んで感想を書かなければいけないネ。