【観る】永井愛「私たちは何も知らない」

 一時期、NHKBSでは演劇を放映しなかったのが、このところ度々見せるようになったので受信料を払う甲斐がある気になるネ。今は二兎社の公演で、青鞜社の女たちの闘いと葛藤を素材にしたものをやっている。録画しながら観ているけど、もっと早く知っていればブログに情報を流せたのだけど、申し訳ない。「新しい女」と呼ばれた平塚らいてう達の闘争を復元することに力が注がれている反面、永井愛らしい批評意識が弱まった感じかな(まだ始まって1時間くらいだけど)。表題にらいてう達の無知、というより未知の世界に臨んで傷付いていく在り方が含意されているとすれば、それが批評かな。それにしても彼女たちはボクの想定を遥かに超えた奔放な生(性)を生きていたようで、チョッと驚きだネ。

 始まる前に永井が「服装だけは現代にした」と言っていたけど、「マクベス」を桃山時代の武士たちの装いで台詞をそのままにした「NINAGAWA マクベス」のやり方だネ(昔ナマの舞台を観て感動したナ)。永井作品も当時の着物よりも、今の洋装にして台詞が観客に届きやすくなっている点では成功かな。でも演技がオーヴァーで、見ているのがツライ感じは否めない。彼女たちの時代を超えた観念性がキツイせいだろうけど。もちろん嫌味などでなく、むしろ同情しつつも舞台に入りきれないのがツライのだけどネ。