きのう炎天下、東京駅のステーションギャラリーに行ってきたヨ(今月28日まで)。日勝(にっしょう)は期待を遥かに超えてスゴイ! 40年ぶりの展覧会だそうだから、今観ないと後は北海道の神田日勝記念美術館まで行かなければならないネ(その価値はあるけど)。BS日テレの「ぶらぶら美術館」で紹介されたのを見たら、是が非でも行きたくなったのだけれど、あれ程の迫力とは思わなかったネ。とにかくすごいインパクトで目が離せなくなるシロモノだヨ。
20年近くも前になるかも、テレビ番組で古井由吉が絶筆(未完成)となった「馬」の絵に見入っている姿が忘れられず、どんな絵なのかと想像するだけだったけど、実物のオーラの前には他の画家の作品が霞んでしまうほどだったネ。モネなど印象派など、どうでもよくなってきた感じだったヨ。もちろん上京して(?)作風がガラッと変るまでの話だけど。
初期の馬や牛を中心とする(他にも壁や人などの単色系の作品)が本領であって、モダニズム(アンフォルメル)の影響を前面に出したカラフルなものは評価できないネ。あれこれ模索した果てに、死の直前に初期の馬に戻りながらも完成できずに果てたのは悲惨な印象だったネ。初期は強い線でインパクトを与えたビュッフェが(大好きだった)、晩年になったら突然カラフルな看板絵のようなもの(全然ビュッフェじゃない!)を書いたと思ったら、自殺して果てたことが想起されたヨ。日勝は線じゃなくて絵の具のベタ塗りだけど、単色系では同じだネ。
久しぶりの展覧会のせいもあったかもしれないけど、とにかく圧倒されたヨ。初期の人物像がこれまたボクの好きなベンシャーンを思わせるけど、(実物は観たことない)ベンシャーンはこれほどの衝撃は与えないだろナ。ベンシャーンは被曝した第五福竜丸も描いたアメリカの画家だけど、優しさ・暖かさが伝わってくる画風だと思うものの、日勝からは厳しさが伝わってくるネ。この厳しさに打たれない手はない! 会期はあと10日しかない。
新聞の美術館案内では「予約制」と書いてあったので電話したら、ローソンで前売り券を買えと言われたので行ってみたものの最初は話が通じない。ローソンには種々の発券機があって、JRの発券機にも苦労する身なので四苦八苦しながら、何とかゲットできたヨ。嬉しいのはコロナ禍のお蔭で実に空いていたこと。声高で話す婆さんどもがあまりいないし、いても傍に寄って話すこともないので、鑑賞するにはサイコーの環境だヨ。気になる人は、検索してどんな絵だか見ておくれ。実物のオーラは感じられないだろうけどネ。