朝日新聞2月24日(夕刊)の連載「現場へ!」が「コロナ禍の詩人たち」を特集している。その第2回がとりわけ面白い。昨年12月、渋谷パルコで開かれた最果タヒの個展の内容を紹介しているからだ。過去の詩集や書き下ろしの詩から100編ほどの詩句を選び出し、それらをモビールのようにつるしたとのこと。記事に引用された詩句を紹介しておきたい。
〈燃え尽きていくばかりの、ぼくたち。〉
〈きみはきっと世界を嫌いでいい。〉
〈手洗い、うがい、忘れずに。〉
〈われわれは/この距離を/守るべく生まれた、/夜のために在る/6等星なのです。〉
「静寂の詩」から
〈死なせたくないと思うことに嘘偽りなんてないんだが、
それが生々しい感触を持つことにぼくは本当は耐えられない。〉
最果タヒについては、以前にもブログに紹介したのでくり返さないけれど、中原中也賞を受賞(2008年)しただけのことはある言葉のセンスだ。中学生から大学生まで若い人に訴える力を持った詩人だから、もっと広く読まれて欲しいネ。