【読む】瀧口悠生  松波太郎  スズキロク  千田洋幸研究室

 タローさんの『本を気持ちよく読めるからだになるための本』(晶文社)に、瀧口悠生もエッセイを載せていた記憶があったので取り出したら、「脈」という章に体験談を記していた。「死んでいない者」(昨夜読み続けたけど読了に至らず)にも通じるキメ細かい文体で読ませるエッセイだ。瀧口さんの背中に鍼を打ったタローさんには、瀧口さんが「響く」感じが手に取るように分かるのだそうだ、他人の身体なのに不思議だネ。それにしても、タローさんも優れた作家仲間と交流があって幸せだネ。

 以前トミー(冨田涼介)からもらった『F』という雑誌の18号にも、瀧口さんが書いてあるような気がして出してきたけど、それには瀧口さんは書いてなくて、タローさんの上記の本にエッセイを書いているスズキロクさんが本名で短歌を載せていた。そういえばロクさんは短歌に強い関心を抱いていたのだっけ。本誌にも9首載せているけど、俵万智が流行らした話し言葉の短歌で、実に調子良くて心地イイね。

 この雑誌には千田洋幸先生もアニメに関する小論を載せているけど、実は千田研究室を拠点とした集まりの雑誌なのだネ。通販もしているそうだヨ。