秋山虔先生お通夜

驚くほどの人が集まっていて先生のビッグな存在ぶりに圧倒される思い。
長島クン始め教授連が受け付け付近で会場書係を務めていたのだから、先生の巨大さが察せられる。
桐原の教科書編集仲間の長島クンから「セキヤさんはまだ若いから奥に間に座らせて上げない」とからかわれて嬉しかったものだ。
幸い山田有策さんや滝藤さんを始め、仲間うちでは林クンとオスギにマロ、宇都宮大の守安クンにも久々に出会えたが、近代専攻の人も多くて安心した。
時間前に並んだ長蛇の列の中で浮かんだ、先生にまつわる思い出一つ。
井伏鱒二が自選全集を出した時に「山椒魚」の末尾をカットして話題になった際に、『現代文学』にその理由も説いた井伏論を発表したら、突然先生から「君の井伏論が一番カットの理由の解き方に説得力があった」というお言葉と一緒に、ご褒美に『シグレ島叙景』の初版本を頂戴した。
ずいぶんと可愛がっていただいたものだ、と思っていたら焼香の済んだ参列者の目に涙が光っているのも見え、先生がたくさんの弟子たちに慕われていたのが実感できて気持良かった。