鳥越俊太郎  ゴルビーとエリツィン

鳥越俊太郎といっても若い人は知らないかな、自称「ニュースの職人」で筑紫哲哉と同じような人だけど。
筑紫さんはガンで早く死んでしまったのは惜しかったけれど、鳥越さんは幸い数度のガン治療を乗り越えて今や75歳で健在なのは嬉しいかぎり。
その鳥越さんが朝日の夕刊の「人生の贈りもの わたしの半生」を10回連載していたのを早く情報として流そうと思いながら、今日が最終回になってしまった。
一番面白かったのは昨日の記事で、ゴルバチョフエリツィンを比較している感想で我が意を得た感じ。
2人にインタビューした印象では、ゴルビーは「実に紳士的」でサッチャーまで彼に惚れ込んだとか。
逆にエリツィンは「態度が横柄で、ときおり神経質そうな反応をして、最後はインタビューの途中で退席してしまった。不愉快でしたね。」と記されていたので、ボクが想像したイメージとピッタリで納得できた。
ゴルビーなしに今のロシアは想像しにくいけれど、エリツィンは代替可能の存在でしかない。
ゴルビーに任せてソフトランディングしていればその後のロシアの大混乱は無かったはずだけれど、頑冥な保守派(ソ連派)と欲望実現に性急だったエリツィン支持派がゴルビーが失脚させたため、その後のロシアは不幸を強いられることになった。
元秘密警察の長だった殺人鬼プーチンを支持せざるをえない今のロシア人が、幸福だとは決して言えないのもゴルビー失脚の結果だ。
粛清は北朝鮮だけの専売ではなくソ連時代のスターリンからプーチンに受け継がれているけれど、ゴルビーが政権を担当していれば決して粛清は無いだろうと確信している。
革命直後のソ連は皆がハッピーだったと思うけれど、その後は(レーニンといえども)粛清・堕落が続くばかりであったのが、ゴルビーがまた暗いロシアを明るくしてくれたものの一時期で終わってしまったのは無念極まる。
そえはともかく、鳥越さんの記事はボクの印象を保証してくれたので嬉しかった。