18日の春樹論

ハルキの作品は議論が盛り上がるものだけれど、「シドニーのグリーン・ストリート」では無理かなと予想していたものの、発表が挑発的だったのですごく盛り上がった。
活字化される予定なので詳しいことは書けないけれど、「羊をめぐる冒険」の世界と関連付けて読む方法のみならず、「シドニー〜」が収録されている作品集『中国行きのスロウ・ボウト』の「中国」との関連を読もうとする意欲や、「印刷工」という在り方を読みに取り込もうとする挑戦等々を展開したので、レジュメも12ページにわたる大部なものになってレポの実力を示していた。
印刷工の読み方など思いも及ばなかったので刺激されたけれど、手続きとしては
 ① まずテクストに閉じた読み方を提示した上で、
 ② それとハッキリ区分しつつ「羊をめぐる冒険」等とのインターテクスチュアリティを読み込んでもらいたかった。
自分を含めて①の読み方を用意した者としては、いきなり②に入られると物足りない感じが残るのは否めない。
①がらみの質問も出てくるのは必然で、2つの問題が交叉し混乱しがちになるのは避けたい。
ともあれヒッキー先生はじめ皆さんから貴重な意見も聴かせてもらえたので、ボクのみならずレポの収穫は多かっただろう。
生かせるものは自説に取り込んで論を膨らませてもらえれば、ゼミとしても参加者としても嬉しいかぎり。
たぶん来年の『宇大論究』に掲載されることになるだろうから、参加できなかった人を始めご期待下さい。
もちろんゼミの常連で参加できなかった人には、請求に応じてレジュメをお送りするつもりです。
次回は7月に、発表希望がありながら待たせているオピッツ君を予定している。
7・8月は夏休みでもあるので、月に2回になる可能性も大きい。

@ 先週の釣り部で館山在住のハッちゃんと共に釣りを楽しんだけれど、彼女がはるばる小金井までゼミに初参加(ヒグラシ以外では実績あり)してくれたのも嬉しい材料。
  ゼミ部のみならず、部活動は1人になりがちな卒業生達に横のつながりを持って支え合ってもらいたいというモチーフもあるので、初めての参加というのはとりわけ嬉しいものだ。
  初めてではなくても、生き難い昨今の状況の中で、独りで悩みを抱え込まずに集って発散できる場として機能してくれれば、この上ない喜びというもの。
  もちろん何の悩みも無い人の参加も歓迎してますヨ。