北方謙三(付記)  ハードボイルド小説  ヘミングウェイ

眠いのを無理に「道誉なり」について記したので、もう1つ肝心なことを書き忘れてしまった。
偶然「朝日新聞」の6日の「文化・文芸」欄に、北方謙三の「大水滸伝」シリーズ完結という記事が載っていてたので思い出せた。
私小説に限らず、事実を再現したような作品は好きじゃないけれど、歴史ものは大好きだから「道誉なり」や「三国志」は読みたいものの、「水滸伝」(や「八犬伝」)のような荒唐無稽な物語には興味が無い。
でも記事によると三部作の三つ目は「岳飛伝」という表題だというから、例の宋時代の豪傑・岳飛(テレビではよく見ていた)のことなら読んでもイイかなと思った。
それはともかく、現代ハードボイルド作家だった北方がその手法で歴史小説に手を染めたということだそうだが、確かに「道誉なり」を読んでいてそれを強く感じたものだ。
ヒグラシゼミが1つの機縁になったこともあり、今までに読んだことの無かったハードボイルド小説に興味を覚え、ヘミングウェイ日はまた昇る」を読んでいたところだった(間もなく終了)。
小説としてはそれ程面白さは感じないけれど、こうしたセック(乾いた)な文体を知らずに文体論を考えるわけにはいかないので、その点では楽しんでいる。
カミュ「異邦人」や、読みかけたまま長いこと放置してあるマルロー「希望」の文体が想起される味わいだ。
北方作品の方は物語内容もスゴク楽しいので、通勤通学にどうぞ。