【ゼミ部】安岡章太郎は日本トップクラスの小説家(文体家)  「宿題」は絶対おススメ!

 30日に高田先生が講演してくれる「ガラスの靴」は安岡章太郎の代表的作品だろうけど、安岡自身が日本で有数の小説家(狭く言えば文章家・文体家)だと思うネ。様々な文体の作家がいる中で、安岡はトップクラスの1人だと評価しているヨ。感性豊かな筆致で描かれた「ガラスの靴」はその特色がよく出ていると思うし、実はボクの生涯唯一の小説(定時制高校教員の頃に文芸部が再建された記念に書いてあげたもの)「イソップ新話」の文体は、今見ても安岡の文体を思わせる。意識したわけではないけど、定時制の生徒を読者として書いたので、自然その手の文体になったのは間違いない。定年退職記念の口演の時に(学大のみならず宇都宮でも)配布したので、見つけたら読んでみてくれれば分かると思うヨ。

 それはともかく、「ガラスの靴」と同じ頃かと思うけど「宿題」という作品は絶対おススメ! 主人公の年齢をずっと年少に設定して小学生にしつつ、宿題が子供に強いるプレッシャーに対処する子供の心的世界が爆笑を誘うタッチで語られている。安岡作品の中で好みで言えば一番という点で、元金沢大学教員のキュートク先生と同じくするネ。何度読み返しても笑えるからスゴイ!