9月24日(土曜)午後2時〜
東京学芸大学人文社会2号館 国語第一演習室
井上光晴「心優しき叛逆者たち」 李陣春子の物語が語られている2,8,11、16、20、25、27、30、35、39、42、51、55の章
レポ ヨリコ嬢(一橋大学院 オーバー・ドクター)
@ 昭和44年から『世界』(岩波書店)に連載された長篇小説の1部(登場人物の1人の物語)を取り上げます。
テキストはPDFで送るのでイチロー先生にメールで請求して下さい。
PDFで受け取れないメアドの人のために、郵送の用意もできています。
昨夜初めて読んだら、60年代後半の若者たちの思想・雰囲気がとてもよく表現されていて驚きました。
政治の動向にどう対処していくのか、現実(実生活)に回帰(転向)しないでどう生きていくのか、などという問題に全身で苦悩している姿がリアルに伝わってきます。
取り上げられる李陣春子のグループは演劇を目差しながら「ふうてん」(ヒッピー)生活を送っている人たちです。
雰囲気は村上龍「限りなく透明に近いブルー」かな。
李陣という名前の通り在日朝鮮人の抱える大きな問題も焦点化されていますが、沖縄に対する差別意識も取り上げられているのが井上作品の特徴です。
最近は性的マイノリティが取り上げられる機会が多いですが、その他被差別部落問題など社会的マイノリティが豊富に登場するのが井上作品です。