三浦瑠麗  松本一志(ダウンタウン)  太田光

最近の若手のコメンテイター(評論家というには軽すぎる存在)の頼りなさ・ウサン臭さについて記しておきたいと思いながら、バカらしい気もして今ごろになった。
BSプレミアムの「華族・最後の砦ーー天皇の退位を阻止せよ」という再放送が面白そうなので、見ながら書き止めることにした。
その1人、三浦瑠璃(るり)というのは利口なのか馬鹿なのか、判断しにくい印象だ。
同じ政治研究の仲間からは「美しきトランプ」と呼ばれているそうだけれど、この「美しき」というのもどうなのかな?
確かに政治研究の女性たちの中ではそういう評価になるのかもしれないけれど、見た目ではせいぜい紫式部ていどにとどまり、平安の昔ならともかく現代女性としては「美しき」というのは無理だろう。
若い頃のトランプの方が遥かに真っ当な顔をしていたようだけれど、三浦の考え方はトランプに近いようでトランプを正面から否定していない模様。
要するに反動とは言えないまでも保守的な考え方の持ち主には違いなく、そこがボクらの世代からは物足りない限り。
現状を認めた上で論理を尽くす発想は年寄り臭くて堪(たま)らない、というのはボクだけじゃあるまい。
若い人にはたとえ突っ込みどころ満載であろうと、現状を追認せずに信じる理想を語って欲しいものなのだけれど、今時分の若者の傾向として三浦も世代的限界を超えられないということなんだろナ。
ボクらが若かった時代に堂々と保守的見解を述べる若者がいたら、革新側からも敬意を表されただろうけど、安倍晋三が支持される時代に若手から保守的な発言を聞かされるのは情けない限り。
三浦がバカじゃないかと疑ったのは、松本一志の「ワイドナショー」(フジテレビ・日曜朝)に出て発言が松本に認められることが、一般に受け入れられたと勘違いしている様子だったこと(朝日新聞にもその手のことを書いていたと記憶しているけど、資料喪失)。
そもそもこの番組は「ふだんから話題にされる側の芸能人が、目前の事件を話題にしてバカ話をする」という趣旨のものであり、MCの松本が自分でも洩らす通り安倍政権支持者として見られている、というものである。
最近この手の番組が氾濫し過ぎていて危険を感じているけれど、タモリが勢いを失った後にフジテレビが毎日やっている「バイキング」という番組を覗いたら、意外に坂上忍というタレントが保守的に流されないでいるので驚いたほど。
この人には松本には無い《懐疑精神》があって、「報道ステーション」を降ろされた古館伊知郎に共通するものを感ずる。
まだ関東ではあまり知られていない頃、日テレの深夜番組で爆笑させてくれていた頃から芸人としての松本一志には注目していたけれど、彼の映画がクダラナイのと同様に政治的発言も切れ味が悪すぎてツマラナイ。
『遺書』という本を出した時も、その表題のセンスの無さにはガッカリしたけれど、要するに松本一志にはコギト(早くいえば懐疑精神かな)が根本的に欠落している。
己を対象化して見る目が欠けているから、時々言わなければ済む保守的発言をお洩らしして番組を臭くしてしまっている。
同じ時刻の裏番組である「サンデーモーニング」のMCの太田と田中(爆笑問題)が政治的判断を自制して洩らさずに笑いにまぶしている徹底ぶりと比べると、自制しきれない松本のユルさがハッキリするだろう。
日曜昼ごろからの「TVタックル」のビートたけしの姿勢が太田光と同様で、マジメな政治的問題も茶化して笑いにまぶしてしまう剛腕ぶりで安心して見ていられる(太田の方がたけしから学んだか?)。
太田光と同列に評価される芸人としての松本が、笑いに徹して無用な発言を慎めば安心して見ていられるのだけどナ〜(「サンデーモーニング」は西川史子が不愉快なので見ないから)。