【観る】小津安二郎「お茶漬けの味」  木暮美千代

皇室のみならず角界までも安倍が政治利用しているのを苦々しく思い、テレビニュースを避けてNHK・BSの映画にしたら幸い小津映画だったので観る気十分。

それを観ながらブログを記しているのだけど、デジタル版になってとても見やすくなったネ。「お茶漬けの味」というのは初めてだけど、途中から笑ってしまったヨ。弱夫恐妻の物語が中心だと見たけど、妻の木暮美千代の像がジャミラに重なってきたのでネ。顔じゃなくて強気一辺倒の言動だヨ。夫の佐分利信が、妻がいないのを好いことに飯に味噌汁をかけて食っていたら、帰ってきて見とがめて女中の前でさんざん非難したのだナ。

ジャミラも汁飯が嫌いだと思うけど、新潟の米農家の出なのでそうなのだと解釈したら納得できた。自家はこの十数年間の食事は毎食べつべつにしているので(ボクはトレイに食べる分を乗せて1階の仕事机で「孤食」を楽しんでいる)、汁かけ飯も自由自在だネ。殊に卵を入れた味噌汁をかけたものは絶品だネ。もちろんお茶漬けも大好きで、常に買い置きがたくさんあって欠かさない。

映画では妻の木暮がハンセイして態度を改めてメデタシ、メデタシとなるけれど、自家はもちろんイチローの心はイタシ、痛しだヨ。

 

出演者が皆そろって若いのでビックリ。特に笠知衆や鶴田浩二はすぐにはそれと気づかないくらい。木暮美千代は女優陣の中にいても飛び抜けて美人だけど、実生活のダンナが醜男(ぶおとこ)なので子供の頃から「買われた女」なのかと感じていたものだ。最近亡くなった女優・京マチ子大映の永田社長の女だったと報道されていたネ。昔テレビによく出ていた芸者の○○○(信頼していた叔父がファンだった)も仁丹の社長のメカケだというのは、当時電通に勤めていた友人に聞いたことがある。大橋巨泉がデビューしたての美少女と再婚した時も似た感情を抱いたものの、その後の夫妻の人生行路は模範的と言っていいのかも。

この手の代表はデヴィ夫人だろうけど、インドネシアスカルノ大統領が来日した時に見初めたのを、時の副首相が活躍してもらわれて行ったものだ。まるで二百年も前のジャパユキさんの再来だったけど、インドネシアの政治的動乱に巻き込まれた夫人は二重の悲劇に出遭ったことになる。今の夫人は汚くなった顔を厚化粧でゴマカシながら、非常識極まる言動でヒンシュクを買っているのは喜劇にも見えてくる。でもマットウな生活を経験できなかった女の悲劇とも言えるのかな。

(前半だけのつもりだったのに、書いているうちに後半も長くなってしまった、映画は終わっているのに。)