100分で名著  「風とともに去りぬ」 鴻巣友季子

急いで紹介しておかなければならない番組と言えば、今まで何度も記してきた「100分 de 名著」。
ほとんど興味のない「風とともに去りぬ」だったのでスルーしがちだったし、見ると解説者が押しの強い女(風貌もチョッと昭和ゼミの女王様と呼ばれたパッチンを思わせる)が上ずった声でしゃべるので腰が引けたのだけれど、途中で鴻巣友季子さんだと判り、前言取り消し! という気になった。
ボクの勘違いを実感してもらうには、以前この番組でオースティン「高慢と偏見」を取り上げた時の、女性解説者(名前は不明)の奥ゆかしさと比べてくれると、納得してもらえると思う。
鴻巣さんは翻訳文学に関してはタイヘンな実力者で、朝日新聞の書評などで活躍しており、ボクも朝日で知ってから新潮新書の『明治大正 翻訳ワンダーランド』をゲットして拾い読みしていたものだ。
新書の写真は出版年の2005年のもので、まだウイウイしさが前面に出ていたので、同一人物だとは思えなかったのが誤解の元だった。
第一印象で嫌悪感を抱いてしまうと、なかなか本来の(?)相手を認知することができなくなるものだけれど、鴻巣さんなら以前から敬愛していた気持があるので、すぐに嫌悪感を拭うことができた。
(お笑いの竹山などは、デビューした頃のキレ芸(むやみに怒って大声を出すだけで芸とも言えない)が不愉快でならなかったけど、相方が病死してからは静かになり、ザキ山などからもイタブラれる役柄を身に付けてからは第一印象の嫌悪感がなくなった例だ。)
Eテレで来週の月曜夜(再放送)と水曜(朝と昼)に番組を見てもらいたい、スカーレットという名に伏された意味など、いかにも文学的な読みを披露してくれるので、作品の薄っぺらさなどきにならなくなるヨ。