【見る・状況への失言】田中みな美  「プロフェッショナル」  三浦瑠麗  古市憲寿  磯田光一

 昨夜は「知恵泉」を見終った後に「プロフェッショナル」を途中から見てしまった。たまに見ることがある番組だけど、昨夜は今評判の嫌われ者(?)の田中みな美を取り上げていたので、見る気がしないまま最後まで見てしまった。どちらかと言えば嫌っていた側だったのに、己を見る目をシッカリ持っているのが意外で、引き寄せられてしまったというのが事実だネ。途中からはけっこう美人じゃないかと再評価までしてしまう程だったけど、自宅でスッピン顔をしている場面も多かったせいかな。

 女性ディレクターにくり返して洩らしていたのが、田中には似合わぬ反省の弁。番組のねらい通りに「メンドクサイ女」を発揮して完璧だったネ。タレントによくある〈脱いで人気取り〉という点では嫌悪の対象ながらも、「望まれた通りに応じていく」という強固な信念を貫いている結果と言われると納得してしまうネ。〈生きる自分〉とそれを〈見る自分〉を明瞭に差異化して意識しているところが、常人を遥かに超えているのがスゴイ。いずれ再(再々?)放送されるだろうからおススメだネ。田中が嫌いな人も変ると思うヨ。

 

 田中みな美と正反対で、〈見る自分〉を身に具えていない典型が三浦瑠麗や古市憲寿だネ。共に無神経でむやみに出たがるところが似ているけど、田中と真逆で見た目が汚い点でも似てるナ(特に古市のツラは溶け崩れそうで不快)。三浦の方は髪型のせいか、平安時代のブス女の感じで笑うと特にブスが増す。学生時代から「保守」を売り物にしておだてられたのに味を占めているのが反感も買うようで、朝日新聞(9月3日)によると三浦がアマゾンのCMに出たら、ネットでアマゾン解約運動の投稿が8万件以上の数に上ったという。批判の理由の1つは、三浦が安倍晋三寄りの松本仁志がMCの「ワイドナショー」で《北朝鮮の潜伏工作員が国内にいる》という趣旨の発言をしたことにあるという。三浦が著書で「徴兵制の導入が平和構築に意義を持つ」(記事のまま)と主張したり、安倍晋三と会食したことも批判の理由に上がっているとのこと。

 「右寄り」の三浦が徴兵制を主張するのはいかにもそうだろナとは思うし、安倍晋三と食事をして舞い上がるのもおだてられて調子に乗る三浦らしくて薄っぺらに見えてくるものの、北朝鮮工作員が日本に潜伏しているという指摘自体は三浦の言うとおりで批判に価しないと思う。日本はスパイが自由自在に活躍できる国としては世界でも有名だそうだし、北朝鮮工作員が簡単に潜伏して日本人を拉致した例には事欠かないし、韓国からの亡命者で後の大統領になる金大中(キムデジュン)も拉致され殺されそうになった事実は否定しようがない。北朝鮮から逃げてきた大統領付きの日本人料理人が、帰国後に工作員から「余計なことを言うな」と脅かされた、と証言していたのも思い出される。

 

 話が大きくなり過ぎたので元に戻して終りたいが、要するにおだてられて調子に乗っている自身を〈見る自分〉を持っていない三浦や古市のような存在は、歯止めが利かない点ではモウロクして脚が不自由になっているにもかかわらず、周囲が止めるのも聞かずに運転して人をひき殺すあのジジイと変るところがないのだナ。

 〈生きる自分〉=ドン・キホーテ、〈見る自分〉=サンチョ・パンザという図式で見事な三島由紀夫論を書いた磯田光一の『殉教の美学』は必読だネ。