【見る】寺島実郎の番組  田中優子  安田奈津紀  深沢潮  鷺沢萌

 先週で連載が終った朝日新聞の「語る――人生の贈り物」の田中優子さんの特集を読んでいたら、「サンデーモーニング」(TBS午前9時~)への出演は法大総長としての立場から控えたとあった。以前田中さんのことを記した時に、最近出演しなくなったけどと書いた理由が判明したネ。この番組のコメンテーターは最高レベルのインテリがそろっているけど、今日は一番若い(?)安田奈津紀というフォトジャーナリストの発言が切れ味抜群だった。バッハ会長に広島訪問などへの批判が盛り上がっているけど(それ自体は嬉しいものの)、安田さんが強調したのは政権の姿勢のイイカゲンさ(気持がこもらないままJOCの言いなりなど)だったけれど、その言い方が気持良かったナ。

 この人何もの? と思って「サンデーモーニング」のコメンテーターを検索したら、高校生の頃からカンボジアに関心があって訪れたのが機縁になって、フォトジャーナリストになったという。毛沢東主義を貫いたポルポトが自国民を何百万も殺した後だったので、孤児があふれているのだ何とかしたいという思いが抑えきれなかったとのこと。この人の発言の強さの由来が解った気がしたけど、チョッと驚いたのは離婚した父が在日コリアン2世だったとか、その父や兄の死を引きずっていたというのも強さの秘密なのだろネ。もちろん悲惨な状況に耐えぬいた結果としての強さだろうけど。ともあれ彼女のサイトを一読してもらいたいネ。

 昨日(17日)の夕刊の「いま聞く」というコーナーでは、深沢潮(ふかざわうしお)という父母が在日コリアンの作家を取り上げていた。こちらは祖父の代から本人まで差別に苦悩しながら日本で生きている体験を、小説に書くことで救われたという話だった。そういえば鷺沢萌という在日コリアンの作家がいて、自殺したことも思い合わされたネ。関東大震災の時の朝鮮人虐殺から、現代のネトウヨの朝鮮(韓国)攻撃まで、知的レベルの低い日本人が絶えないのは恥ずかしいかぎり。

 

 今日は出演していなかったけど、寺島実郎さんの東京MX11時からの冠番組を見た(毎週やるわけではないらしいけど)。前半はボクの一番苦手な経済の問題の解説で、アベノミックスがいかに経済的格差を生み出し、若者たちを非正規労働に追い込んだかを丁寧に解説してくれた。この番組はSNSでたくさんの視聴者を獲得しているというのが、分かる気がしたネ。

 後半は人類の歴史がテーマで、自ら知的好奇心が強いというとおり実にたくさんの関連本を読みこなしているので驚いた。チンパンジー(正確にはボノボ)に「言葉」を教えたり、(うなり声で)会話をすることができる京都大学の松沢さんの本(知らんかった)まで紹介しながらの解説は実に興味深かったヨ。

 この番組は見逃せない!

 

@ 「英雄たちの選択」のSP番組「古代人のココロに迫る」の再放送を見ながらブログを書いた。2時間タップリ楽しんだヨ。