【聴く】ラジオ放送大学「西洋音楽史」  「絶対音楽」VS表題音楽⇔オーストリアVSドイツ

 【聴く】が疎かになっている印象だから記すネ。毎日欠かさず音楽を聴きながら仕事をしているので、【聴く】ことを書こうとすればいくらでもあるのだけど、キリがないので控えているだけだヨ。

 ラジオ放送大学の「西洋音楽史」(木曜夜7時半~)は、最初のうちは馴染めない専門的な講義ばかりだったけど、一昨日の第14回は「絶対音楽」(と表題音楽)の話でとっても面白かった。ベートーベンの交響曲を典型として「音楽」以外を表現しない「絶対音楽」の例として第5番を流していたけど(「運命」と言うと表題音楽だと誤解されるので第5番とするけど、そもそも「運命」という俗名が流通しているのは日本だけだと聞いたことがある)、そのベートーベン自身が第9番で「合唱付き」の交響曲を創造してしまった。その矛盾を抱えた作品についてワーグナーのとても興味深い分析と主張が紹介されていてワクワクしたけど(そのワーグナーの本は自家にあると思う)、ワーグナーが「絶対音楽」に執着した当時の代表的な音楽評論家であるハンス・リックを徹底的に批判し・からかったのも有名な話。ベートーベンの「絶対音楽」を継承したブラームスに対して、リックが理解を示したのも当然ということになる。

 その対立がドイツのワーグナーに対するオーストリアのリックという対比にも置き換えられるというのは、面白い驚きだったネ。言われてみれば、ボクの大好きなブルックナーオーストリアリンツが活躍の場で、作曲は交響曲中心の「絶対音楽」だネ。その他両者の対比チェコドヴォルザーク(ドイツ系に分けられる)の位置付けなどをはじめ、さまざまに展開されて実に有意義な講義だったので、おススメしつつ再放送を待ちたい。