【聴く】カセットテープ  カラヤン  ブルックナー

 「聴く」コーナーが無沙汰続きなので・・・

 このところオープン・デッキの寿命を延ばすため、あまり長時間使わず代わりにカセットテープの録画を聴いているヨ。オープンテープも300本を超えているけど、カセットもそれ以上あるかも、ハッキリ分からないのはこれまでほとんど聴くことがなかったからだ。在職中は研究室で聴いていたけど、退職して自家にいることが多くなってからは、音の良いオープンテープの録音を聴いてきたのだネ。

 オープンの方は自慢できる録音が多く、カセットの方はそうでもないと記憶していたけど、聴いてみるとそうでもないことが判明。ベートーベンのピアノソナタ(作品101)の弦楽四重奏版があるとは初耳だったけど(忘れていたというのが事実)、実に耳に心地良い音楽になっているヨ。後期のピアノソナタ特有の緊張感が薄れて親しみやすくなっている。でもCDなど入手しやすい形で販売されているのかは不安。

 意外な収穫としてはカラヤンを見直したことだネ。この演出過剰な指揮者は嫌いなタイプで距離をとっていたけれど、最大級に敬愛する吉田秀和の解説を聞いてからマーラー交響曲第5番を聴くとナルホド素晴らしい演奏だネ。有名なアダージェットではなく第1楽章の冒頭の細部がよく聞こえてきたのは、録音に凝ったカラヤンならではということかもネ、完璧なベルリン・フィルという条件も備わっていたし。そもそもマーラーだからカラヤンにも合っていたとも言えるしネ。

 カラヤンを評価できないのは、ブルックナーの演奏に瞭然としているようにムード音楽に堕してしまうところだ。交響曲第7番をマタチッチ指揮チェコ・フィルで聴くと心の奥底まで感動が沁みてくるような気持になるけど(CDが出ていたら聴いて欲しいネ)カラヤンが降ると単なるキレイな音楽に堕してしまうのは、聞き比べると明確に解る。演出過剰でも聞けるチャイコフスキーだけれど、晩年のカラヤンが降ると完全なムード音楽になっていたネ。故・越智治雄先生がイイ演奏だネとおっしゃったので、あんなもんムード音楽ですヨと応えたら、君は厳しいナ~と落胆模様だったネ。何でもホンネが言える先生だった、というよりどの先生(相手)にもホンネをぶつけてきたけどネ。