【ヒグラシゼミ】発表作品情報

鳥井さんから重ねて作品情報をメールしてくれました。

 

お返事が遅くなってしまいました、すみません。
横光利一「七階の運動」、初出は昭和2(1927)年9月(『文藝春秋芥川龍之介追悼号)です。
片岡鉄兵が褒めている作品です。
 
 横光利一氏は、「花園の思想」「七階の運動」等によつて、華々しい位置を示し得た。「花園の思想」では、漁村と病院との闘争の展開のうちに、作者の嘆きと生活への希望とが詩を以て披瀝された。それは、正しくこの作者の芸術的手腕の充実を物語るものであつて、あれほど生活と花とが小説の中に詩を持つて生きた表現は未だ無かつたと云つて好い。「七階の運動」はデパアツトメント・ストアを立体的に動かしながらこの世紀への批評を持つ所に意義がある。 片岡鉄兵「昭和二年の小説壇を顧る」(『新潮』 昭和2(1927)年12月)