【読む(観る)】竹内銃一郎(劇作家)

 ほとんどの人が知らないだろうし、ボクも名前と代表作1ツしか知らない劇作家の自選戯曲集が刊行中だという記事が、東京新聞の1月13日の夕刊に載っていた。記事に

 《1981年に『あの大鴉(おおがらす)、さえも』で、演劇界の芥川賞と言われる「岸田國士戯曲賞」を(略)受けた劇作家・竹内銃一郎さん(76)(略)第一線で活躍してきた集大成の自選戯曲集『竹内銃一郎集成』(松本工房、全5巻)を、第3巻まで刊行した。》と説明されている。

 紙面の半分ほど使ってインタビューをまとめているけど、初耳のことばかりながらとても面白い人だ。知っている「あの大鴉、さえも」の初演メンバーによる再演をビデオに録画してあるけど、初めて観た時のショックは忘れがたいのでやはり面白い人だったのだと納得したネ。まさにシュールそのものの設定であって笑いが止まらないくらい面白い演劇であり、「大鴉」という表題ながら4人の登場人物が大きなガラスを運ぶという設定なのだ。そのガラスは観客にはみえないものの、登場人物にはあたかも見えるかのように慎重に運ぶから笑いが生じるわけだネ。

 10年以上後に女性4人が演じた上演も録画したけど、初演4人の面白さは失われていたので消去してしまった。戯曲集を読んでも面白さが伝わるかどうか不安だけど、録画を見るすべがなければ読んで楽しんでもらうしかない。初演版の録画はビデオとDVDの2通りで自家にあるので、興味のある人がいれば貸してあげるヨ。ボクが面白がっていたので、当時関心を示したジェームス君に見せたら全然面白さが伝わらなかったのでガッカリしたのを覚えているけどネ。