【状況への失言】日本維新の会がクソなのに支持される理由  内田樹

 東京新聞1月28日に内田樹が「維新的民主主義」と題して維新の党が(大阪で)支持される理由を分析していて教えられる。東京にいるとあまり関心も無いから、なぜ大阪では支持されるのか不思議な思いでいたので、全文を引用して皆さんにも伝えたいくらい面白くて説得力がある。内田は神戸に住んでいるせいで、大阪や維新の党の事情がよく分かっているのだネ。

 

 《維新は地方では失政が続いているし、党員の不祥事も止まらないのに選挙では圧勝する》

 《学校と病院の統廃合が進み、公立学校と医療機関は今も減り続けている。管理強化の結果、教員志望者が激減して、学級の維持さえ難しくなっている。市営バスの運転手の給与カットは橋下徹市長が行った「公務員バッシング」だったが、運転手が不足し、バスの減便・廃線が起きている。来年の大阪・関西万博もおそらく歴史的失敗に終わり、重い財政負担を住民に残すことになるだろう。》

 

 内田は維新が支持される理由を、むかし勤務先の神戸女学院大のゼミ生に訊いた応えを想起する。なぜ知事選で橋下徹維新に投票するのか?

 《すぐに感情的になる。

  言うことが非論理的。

  隣りのお兄ちゃんみたいで親しみが持てる》

 内田はトクヴィル(註~中島岳志さんも評価する保守主義者)の「アメリカの民主主義」を引き合いに出し、アメリカで性格粗暴・能力中程度・統治する資質に疑問があったアンドリュー・ジャクソン将軍が2度も大統領に選ばれたのは、「支配者と被支配者の利害が相反しない」ことが重要だったと説くトクヴィルに賛同する。

 《徳性才能において民衆と同レベル程度の人間を統治者に選ぶ方が安全だ。これはポピュリズム政治の本質を衝いた卓見だと思う。

  大阪の有権者たちはトクヴィル的な意味ですぐれて「民主主義的」なのだと思う。

(略)大阪のこの民主主義はこれからどういう社会を創り出すのか。私は深い関心をもってそれを見つめている。》

 

 アンドリュー・ジャクソンと同じく「性格粗暴・能力中程度・統治する資質に疑問がある」トランプが支持されているアメリカの現況を見ると、大阪市民・府民が典型的なポピュリズムに陥っているということになる。ナルホド納得だネ! 2月4日の新年会で内田に会えるから、この記事に教えられた感謝の気持を伝えたいと思っている。

 

 前回の国立市議選でも維新の党から1人(?)立候補していたと思うけど、結果は知らず東京でも全国でも維新の党がポピュリズムの勢いに乗って支持を増やしていく傾向は否定しがたいネ。ウクライナやガザのみならず、国内外がイヤな方向に進んでいくようで気持が晴れないネ。