【見る】立原道造の建築  「新・美の巨人」

 立原道造の詩のファンは今やあまりいないように見えるから、この情報もあまり関係ないと見過ごされる可能性が高いものの、いちおう記しておくヨ。軽井沢につながる堀辰雄文学の影響圏で詩作しつつ、かつ東大建築家に籍を置いて丹下健三より1学年上だったそうで、当時の新人コンクールである建築奨励賞・辰野賞(辰野金吾を記念したもの)を続けて受賞したほどの実力者だったとか。たった今見ている「日曜美術館」で取り上げられている坂倉準三と同じく、ル・コルビュジエに心酔した建築を目差したとかは「新・美の巨人」(土曜夜10時~、テレ東)という番組で知ったばかりだけど、その再放送が毎回土曜の夜11時半からBSテレ東で放映しているからおススメだネ。

 注目すべきは26歳で夭逝した道造がデザインした5坪だけの家「ヒヤシンスハウス」が、設計図をもとに浦和の別所沼公園に建てられていて内部まで見学できるということ。芸術家たちが集う家として設計されていて、広い窓ガラスを取り入れた素晴らしい家だけど、説明書を読んでいた内田有紀が泣き出した姿には心を打たれたネ。飛びぬけて可愛い女子だと思っていたものの、あまりオンナを感じさせないながら心根(こころね)の優しさがステキだネ。建物は「別所沼公園のヒヤシンスハウス」で検索すれば出てくるから見るとイイよ、横には在宅を示す三角形の旗が掲げられる棒が立っているのだけれど、写真では分かりにくいかな。

 

 「日美」の坂倉準三が設計したと思われる神奈川県立美術館もル・コルビュジエの影響が濃い建物であることを番組で知ったけど、3度は訪れたのに気付かなかったヨ。そういえば全共闘運動の延長で進級試験を拒否したため、留年して2学年下のクラスに落とされて(入学試験ができなかったため)内田樹と同級生になったのだけど、その学年の新年会が2月初旬にあるヨ。それには毎年のように別のクラスだった元神奈川県立美術館の館長だった友人も来るので、ル・コルビュジエを含めて美術館のことを話題にしてみよう。