【見る】「100分 de 名著」  ローティ「偶然性・アイロニー・連帯」  ルワンダ内戦(・ボスニア内戦)

 放っておいても少なからぬ人が見る番組になっていると思うけれど、今回はボクがうっかりしていて昨夜やっと第3回(?)の再放送を見たらけっこう面白いかった。ローティと言われても聞いたことがあるか程度だったけど、昨夜はルワンダ内戦(少数派のツチ族が多数派のフツ族によって50~100万人が虐殺されたと言われる)が両族を差異化する「言葉」に起因するという理解(ローティとは別人のティレルの分析)を示していたのが初耳で興味を持った。関東大震災時に朝鮮人虐殺がなされた時と同様で、普通の日本人がデマ(言葉)に乗せられて朝鮮人虐殺を行ったのも想起されたしネ。日本では杉田水脈はじめ未だに虐殺という事実を認めたがらないクソがいるように、ルワンダでは表面的には両族が和解しているものの人々には深い傷が残ったままだという特集番組をむかし見たことがある。

 何と日本人の活動家(?)が両族の和解に努力していたけど(番組当時のブログにも記した)、夫を殺されたツチ族女性の家事労働を隣りに住むフツ族の男性が手伝おうとはしていたものの、女性の側では(その男性が直接殺したわけではないながら)決して許していないことをハッキリ言葉にしていたのを忘れない。

 番組の解説では元々明確ではない民族差ながらも、外側からツチ・フツという「言葉」で差異化したのがそもそもの対立を生じさせたという。解説者の「哲学者」の発音がこれ以上ありえないほどの早口ながらも明確なのに驚いたものの、それが押しつけがましく響くので印象が悪かったせいもあったか、「そんな簡単な問題じゃないだろ?」と思ったのは確か。結論ありきの調子で疑問をはさませない早口で知識を伝えるのは、「哲学者」のイメージに反してうさん臭いネ。

 でもルワンダボスニアの内戦が取り上げられていたので、本屋でテキストを確認して読む価値がありそうなら買って来よう。チョッと前の芥川賞受賞作・高瀬準子「おいしいごはんが食べられますように」が面白そうなので(受賞の年の候補者全員が女性だったというのでNHKが取り上げた番組で知った)、それもゲットして来よう。