『昭和文学研究』第88集にヒグラシゼミの常連2人の論文などが掲載されている。【「音」と文学】という特集の座談会に、疋田雅昭先生が参加している(未読)。自由論文には
今藤晃裕「ごんごんごまの伝う庭——泉鏡花「ニ三羽——十二三羽」と動植物」
が載っている。ヒグラシゼミで発表してもらったものだけど、その時より論理が詰められて論文らしくなっている。イー君の論も全国誌に掲載されるようになったということで、嬉しいかぎり・今後に期待!(読みたい人は研究室にあるヨ)
その他の論としては、仲井真建一さん(立教院の受講生)が個人的に注目している崎山多美の作品論が特集欄に掲載されている。
「くりかえしがえし」論——他者に「揺れ」ながら輪郭をつくる
残念なのは崎山作品は読みたくてもなかなか入手できないこと、とても魅力的な味わいの作品なのだけどネ。
同じ沖縄文学では、目取真俊の「一月七日」という作品についてイ・ジェチャン(李在〇)さんの論も載っている。
副題は
——天皇(制)に取り組む〈無知〉という戦略
「研究動向」の欄には村田沙耶香が取り上げられているけど、そういう時代になったのだと思うのは後期高齢者の感慨かな。学大の近代文学ゼミの機関誌『青銅』第54集には、村田沙耶香についての論が3本も載っているけど、執筆者はこの「動向」を一読しておかなければいけないネ。