東京学芸大学 大学院授業連絡(木2)

@ 学外の院生や学内の意欲的な学部生も参加できます。
  参加希望者は関谷まで、電話でもメールでも可。
 ・木2〜昼休み 山田有策『再生の近代』(おうふう)をテキスト(叩き台)に
  して、昭和の作品を<読む>。

[授業予定]
10/22  吉本ばなな「白河夜舟」  レポはキェー・上村
   29  横光利一旅愁」     レポはトオルちゃん・斉藤
11/5  (休講、私用の休みは空前絶後
   11 (休講、公用)
   19  島尾敏雄「死の棘」    レポはジェームス・畑澤
   26  大岡昇平「母」      レポは博士課程のリョーコちゃん・野澤
12/3  (休講、ヘルニアのオペ)  というわけで、予定を変更して下さい。
                    ゴメン! 
12/10  黒井千次「時間」     レポは金さん一人(カワイソー)
12/17  小川国夫「試みの岸」   レポは王さんと亀山さん
12/24  中上健次千年の愉楽」  レポは酒井・ドブリ
 1/ 7  河野多恵子「幼児狩り」  レポは斉藤
 1/14  大江健三郎「個人的な体験」レポは畑澤+アイチャン
 1/21  井伏鱒二「多甚古村」   レポは郭さん・吉岡(エライ!)
 1/28  池澤夏樹「スティルライフ」レポは安部・内海ペア
2/4(最終回) 大庭みな子「三匹の蟹」  レポはカメヨンとキェーチャン
 
 @ 院授業は普段から延長しているので、補講はやりませぬ。
   レポートは一作品(一作家)について30枚以上。
   締め切りは修了予定者は17日13時まで。在留生は22日17時まで。
   欠席が少ない在留生(修了しない)ヒトは4月の最初の授業日まで延長し
   ます。


【授業感想】
10/22  一部レポの読み違いがあって「エッ?」でしたが、それなりに叩き台
       が出されていたので議論ができました。修論を書いている院生が出始
       めせいか人数が少ないながら、カメヨンとジェームスがガンバッテ議
       論をもり立てていました。ばななの作品はナルシシズムが強すぎる感
       じでヘキエキ気味、女性作家の一般的な傾向なのでしょうか?

10/29  問答無用に長い小説だったので、完読できたヒトは少なかった模様、
       情けないながら。後期になったら出て来なくなった情けない連中も居
       るけど(修論書いてるならともかく)、意欲の無いヤカラは置いて行
       けばいいのだけど。先日の院入試でも、内部から意欲を感じられない
       受験生が複数いて、あのままじゃぁ合格しても心配。
       さてレジュメはイマイチながら、議論は何とかできた点は評価し
       たい。
       次も長編なので心配。でも「旅愁」と違い評価の高い作品だから、読
       んで来るヒトは多いはず。(こんな言い方をせざるを得ない情け
       なさ)

11/19  前回同様長〜い作品。前回同様レポではないのに良〜く読み込んでい
       るカメヨン(亀山)には感心するばかり(他の1年生がダメ過ぎる
       のか)。レジュメはジェームスらしい切り口で話題を提供していた。
       ジェームスも意欲的な1年生だった! 上級生と錯覚しがち。

11/26  発表者がいないので、急遽博士課程の発表。大岡を臨床文学で料理
       するというのは珍しい試みながら、一部から強い質問・反論された
       ように、理論が先行しようとするとすると<読み>に無理が生じる。

12/10  留学生には難しいと思われるテクストを、金サンは<時間>を掛けて
       読み解き、質問にもガンバッテ応えていました。細部の理解が行き
       届かなかったのは仕方ありませんでした。本来、日本人の院生が一
       緒にレポを担当すべきだったのだから、仕方ありませぬ。

12/17  カメヨンの発表は刺激的・挑発的なもので、議論が盛り上がりま
       した。先行文献の要約が詳しすぎますが、それだけ読んでないヒト
       には役に立つものです。それにしても小川国夫の時代は終わった!
       という感を強くしました。昔は何故あれほど読まれたのか、不思議
       なくらい。
       王さんは日本語を含めてまだまだ。勉強する余地が沢山あると思って
       ガンバルしかない。姿勢のイイ加減なドブリも同然。前途多難。

12/24  クリスマスの日に中上健次を読むのもオツなもの? ドブリ君は予
       想通りに読み込めてない、その場しのぎのレジュメ。これでは到底
       修論なぞ書けない。この分だと、今年の1年生からは少なからぬ退
       学者が出る模様。
       保護者で飛び入りの酒井クンは、準備不足にしては話題提供ができ
       たのでは? 彼がいなかったら、議論にもならなかっただろうから。

01/07  前回から参加を促している4年生の出方がどうかな? と思ってい
       たところ、アイチャンが早くも欠席(バツとして来週のレポ)、サ
       カポコがまた休み(と思ったら10分遅刻で入室しなかったとか)、
       タナチンは病欠、内海が遅刻で安部が初参加というところで、まだ
       まだ2年生の穴埋めたり得てない感じ。
       河野多恵子を選んだトオルちゃんのセンスは良かったが、受講者の
       方が全体として受け止め得ていないのは作品世界の困難さも一因か。
       修論が終わって2年生が復帰すればゼミらしい議論ができるのかナ?

01/14  4年生、今回は明治ゼミトリオが参加、イイ傾向。遅れをとったと
       いう意識を持って、積極性を示さないと更に差が付く。3人が来た
       の代わりに(?)、内海がダウン。アイちゃん(澤野)がレポで、
       院生の主(ぬし)たるジェームスに対抗したというのに。二人とも
       十分に論題を提供しえていたので、議論ができた(人的偏りはあっ
       たが)。それにしてもヒドイ作品だという感想は変わらない。
       来週の井伏は日本人院生が限界のようで、誰も補助的レポを引き受
       けられないようなので、4年生から誰かやって欲しいもの。再来週
       からは修論を提出した2年生にも期待できるから、もう少しガンバ
       ロウ! 4年の安部・内海ペアが発表しようと前向きなのは嬉しい。
      (その後、来週は余裕の吉岡クンがレポに加わることになりました。)

 1/21  やはり井伏(の中期)は難しい。レポも苦しんだ様子だし、山田論
       もいつになく歯切れが悪い感じでした。授業中にも言ったが、ボク
       がこんなテクストを振られたら原稿絶対断っただろうと思う。郭さ
       んも健闘したが、急遽レポを引き受けた吉岡クンはオツカレでした。

1/28   新院生のお蔭で珍しい作品を取り上げることになり感謝。それにし
       ても最初は新井満ヴェクサシオン」だと思い込んで読み始めてい
       た自分のボケ進行には、呆れてモノが言えない。エコ作家のイメー
       ジとカタカナ題という共通性だけの勘違い。「年はとりたくないも
       のです。」と先輩作家をからかった批評家の名を知ってるヒトいる?
        新参者ペアの発表はテクストの論じにくさに足を掬われた感じ。
       先輩の細かいツッコミにタジタジとなる経験を早くできて良かっ
       たネ。これで4月まで死に物狂いで勉強する気になっただろう。

2/4    二人のレポがそれぞれ個性的な(?)読みを提出したお蔭で、読み
       が深まった感じでした。小島信夫の「演劇的場面」「映画的場面」
       をめぐって議論が盛り上がりました。「バージニア・ウルフなんて
       怖くない」に似ていると言われ、なるほどとイタク実感。それにし
       てもヒドイ先行研究もあったもんだネ、「小陰唇」とは。

 @ 来年度の院授業は木2から火2に変更しますが、新1年生にも徹底して下
   さい。火6だった前期授業は木(6)・7になります。