林芙美子の次は小川洋子

恐れたことが起こってしまいました。
あのアオキがまた蒸発してしまいました! (レポーターの一人なのに!)
脂肪分が多いせいで蒸発しやすいのでしょうか?
以前も昭和ゼミだったかのレポの際に、やはり蒸発こきました。
すぐ「蒸発」を「こく」のが彼のアイデンティティのようです。
幸いもう一人のレポである雄太クンが二人分以上の働きをしてくれたお蔭で、普段の通りの活発な議論で盛り上がりました。
普段はボケの太一クンが、見事にツッコミ役を務めたせいもあるでしょう。
「職人」というアイデンティティが崩壊する物語という雄太クンの読みの基本線は妥当で、要はその線で発狂(人間としてのアイデンティティ)や帰郷(帰属する土地=生まれながらのアイデンティティ)を読みに取り込めるか否かでした。
表題の「牡蠣」はハマっているとは思えませんが、先行研究の奇異な意味づけから免れて読んでみせたのも妥当でした。
先行研究の一つが言う「視点の移動」「客観小説」という方法の獲得という問題は十分な議論ができませんでしたが、レポートを書く時のテーマとしては興味深い問題でお勧めできます。
アオキを発見したら「気にすることはない、周吉のようになったら大変だゾ。」と慰めてやって下さい。
来週は休日で、再来週からは小川洋子に入ります。
テキストはモツ系の一つ『寡黙な死骸 みだらな弔い』(中公文庫)で、第一回はその中から「ベンガルの虎の臨終」です。