N406Bに関する執行部への抗議 & 安吾のファルス

長年使用してきたゼミ室であるN406が、何の相談もなくいきなり国語講座に関係の無い物品に占められて、ゼミ使用ができなくなっている件に関しては、執行部の担当である佐藤郡衛さんと学長等に厳重抗議をしたので、いったん怒りを収めて暫く待ちましょう。

今日の安吾「村のひと騒ぎ」はファルスとしてもデキのいいものとは思われないけど、レポがそれぞれ期待以上に頑張ったレジュメを用意したおかげで、活発で充実した議論ができて楽しかった。
こんな難しい作品からプレゼミを始めるところが、いかにも昭和文学ゼミだと思ったが、それでも1年生が3人来たのは何故なのだろう?
テクストも議論もレベルが高くて、1年生はビックリギョーテンしたのではないだろうか。
「裏を返す」(次週再び来る)1年生がいたら、よっぽど期待できるタマだネ。
<ゼミ員と女は量より質>というのが持論のボクとしてはそれでいいけど、興味と意欲はあるけどハードルが高すぎて近づけないという1年生には酷だろうネ。
来日した李蓮姫先生も参加していたけど、李さんには退屈させなかったレベルの議論ではあったのは確か。
李さんが裏を返すかどうかは別だけど。
安吾を卒論に選んでいるサットマンがそれなりのレジュメを用意できたのは当然ながら、いまいちテクストへの切り込みが欲しかった。
バフチンのカーニバル論の消化も利用もイマイチなので、まだまだ。
バフチンなら「ドストエフスキー詩学」(ちくま文庫)がチョッと難しいけど、無茶苦茶オモシロイ!
イズミンは2年生離れして皆を驚かせたけど、ユーコリンともども昔のハルチン(とオキヌ・ペア)を思わせるハイレベルな発表。
もちろん「痛み」の読みに典型されるように、プラスだけでないマイナス面も露出していたけど、読みには失敗も恐れぬ冒険も必要だろうナ。
アイーンが「お祭り」(カーニバル)ではない「祭り」の面を指摘したのも素晴らしいヒラメキだと感心したが、吉本隆明(ばななのお父さん、バナナの父ではない、バカな!)の「共同幻想論」を大学生なら卒業するまでの必読書として勧めておく。
これも感動的なオモシロサ!
実は今、安吾論を執筆中。(「青銅」にそのことを書いたっけ。)
安吾は難しいけどオモシロイ、或いはオモシロイけど難しい。

* 本名ではなく愛称で記すのは、個人情報でもあるから。ちなみにボクの愛称はイチローだが、愛妾はいない。