春樹「TVピープル」

春樹をやると良いレジュメができるものだが、今回は予想を超えて面白く刺激的で楽しめた。
マッチンは期待通り、というより期待以上に考え抜かれたデキで感心したが、ユウ君が意外に春樹を読み込んでいたのも驚きだった。
春樹の物語の基本はユングだというのは、当初から見え見えだと感じているが、短編はそれから逃れている分、種々な読みの可能性が開けている。
春樹の短編はついアレゴリーとして読むように誘われるテクストが多いが、アレゴリー読みは単一化しやすいので多様性が出にくい。
今回の読みもアレゴリー読みの範囲にあったが、それなりに自分の読みが出ていたところが面白かった。
1年生が一人だけだったのは、やはり昭和ゼミは新入生にはハードルが高すぎるということかな?
「概論」の授業でも、国語の学生よりも他学科の学生の方が元気なのも気になる。
ゼミも1年生だけでなく、全体的に出席が少なくなっている傾向は感じるけど。
せっかく他大学の博士課程超の院生が毎週出てくれて盛り上げてくれているのに、惜しい!
次回は横光利一「笑われた子」です。
志賀直哉清兵衛と瓢箪」を下敷きにしたような作品なので、読み比べるとまたオモシロイ。