来週は試験だヨ〜!

和文学をやってきたけど、テキスト収録作品はすべて読んだので永井荷風の昭和期の傑作「墨東綺譚」のプリントを配布しておいた。
様々な時代の様々な場所の<女>を描き続けた荷風であり、「断腸亭日乗」という近代日記文学の最高峰(一葉の日記と併称しても可)を残した荷風は知らないと恥。
取り上げた作品はメタフィクションなので、「概論」としても不可欠であり太宰が好んだ形式だというのも知らないと困る。(「道化の華」を始め多数)
昭和7・8年頃にアンドレ・ジッドのブームがあり、二種類の全集が出たほど。
そのジッドのドストエフスキー論にヒントを得た太宰と、ジッドのメタフィクション「贋金造り」を読んだであろう荷風が逸早くこの形式で小説を書いたというのも面白い。
戦後の種々の<女>を書き続けた吉行淳之介が、荷風を意識したような吉行の「星と月とは天の穴」もメタフィクションです。

@ 試験は持ち込み不可で〜す。