日本文学概論Ⅰ(春期木曜4時限)

模範解答

遅くなりましたが、とても良く書けている解答用紙のコピーを、研究室の廊下に貼りだしておきました。ご参考まで。 得点別の人数は既にこのに記したと思います。 概ね期待以上の成績で、授業も含めて満足しています。

採点結果

意外にデキが良かったので、安心なされ! 110点満点で最高点が114点で(各問題で良い解答にはオマケが付くから)、最低は23点。 ちなみに、 100点以上 17名 99〜90 6名 89〜80 7名 79〜70 8名 69〜60 2名 59〜50 4名 …

参考文献

春学期最後の演習、それにしても予想に反して受講者が時間も内容も充実させ続けたのに驚いている。 今日の最終回まで、毎回1時間前後延長して議論を聴かせてもらったが(延長してからの方がボクの補足が多かったので、その点は残れなかった人には申し訳なか…

「思ひ出」

「地球図」と<歴史小説の歴史>を確認した。 それにしても「地球図」にはフツーの歴史小説のようなドラマ(ダイナミズム)が欠けている。 以下、補足的な論を記そうと思ったが、余裕が無いので・・・ 次回は「思ひ出」論、各自の読みを用意すること!

メタフィクション  

またまた更新を忘れていた、というより時間的な余裕が無いほど多事に追われている。 「道化の華」を例にメタフィクションを説明したところだが、ジッドや日本の他の作家のメタフィクションを紹介するつもり。 27日に「道化の華」があ終われば、「地球図」…

20日は「道化の華」と・・・

13日は「ロマネスク」絡みでツルゲーネフと日本文学(特に二葉亭)の繋がりに話が展開し、「父と子」のバザーロフ(ニヒリスト)や「ルージン」(余計者)と「ロマネスク」の息子達との共通性を説いた。 二葉亭とくれば<言文一致体小説>の開発者として知…

30日は「ロマネスク」中心ながら、「道化の華」も?

前回できなかったパスティーシュ、芥川は「雛」のみならずこの際著名な「舞踏会」も読んでおくといい。 清水義範にも簡単に触れたいので、ずいぶん前になるが配布した「永遠のジャック&ベティ」のプリントを忘れないこと。 傑作中の傑作、メチャクチャ面白…

予習は同じ作品と「道化の華」

たまたま大学院で『晩年』所収の「道化の華」をやるから、意欲があるなら参加してもいいと言ったら、何と3人の1年生が来てビックリ! 学部3・4年生が参加したことはあったけど、新入生が院の授業に参加した例はない。 今年のB国はスゴイ!?(その一人…

「葉」と「ロマネスク」

昼間あわてて更新しようとしたら、パソコンの具合が悪くて(?)記しきれなかったので、深夜再挑戦となりました(調子イイみたい)。 といっても詳細に記す余裕はないので、かい摘んで・・・ 受講者名簿が決定され、リーズナブルな人数でとても授業がやりや…

「ロマネスク」も!

内容を詰めすぎるせいもあるかもしれないけど、まだ「魚服記」が終らない。 次は予告通りに「葉」をやるが、早めに切り上げて「ロマネスク」に入りたい。 余裕のあるヒトは、芥川の「雛」という短編を読んでおくと<パスティーシュ>が良く分かるはず。

「魚服記」論の仕上げと「葉」

名前を上げた二つの作品をジックリ読んでから、テキスト(教科書)持参で授業に臨むこと。 テキスト無しでは理解できない授業だから、そのつもりで! 忘れたら、図書館なり研究室で借りたりしながら、必ず用意するのが当たり前。前回の授業で、文学テクスト…

4月29日は授業あり  芥川「開化の殺人」

更新を忘れるほど、あれこれと忙しい。 テキストはⅤ章の2、芥川論です。 小説作品はレポが「開化の殺人」を選びました。

テキスト入荷! 25日は「魚服記」(と「葉」)

テキストが入荷したと生協から連絡がありました。 太宰の『晩年』は前に記したとおり、<方法実験>としても実に充実して興味深い作品集でお買い得です。 先ずは入りやすい民譚「魚服記」をジックリ読んでから参加して下さい。 上田秋成「夢応の鯉魚」のパロ…

学芸大は大学ではない  二つある講義課目は両方出よう!

トシのせいか、言い忘れるものが多くなったようだ。 近代文学の「概論」は木曜2時限の大井田先生のと、木曜4時限の関谷のものとの二つ開講している(教育効果を狙ったボランティア)。 二人の専門が異なるに応じて、授業内容も異なる(秋学期の「文学史」…

テキスト入荷は23日

今日の授業で言い忘れたことが二つ。 一つはテキスト太宰治『晩年』(新潮文庫)の生協入荷は23日になるということ。 『お伽草紙』は2年生の演習のテキストだから、間違わないように!(もちろん1年生でも歓迎するが) もう一つは、今読んでいるように、…

採点結果

117点満点で最高点が134点ということは前回記したと思う。 現役生の高得点は124点(B類書道)、112点(B類国語)、111点(A類国語)といったところ。 最低点は24点で、30点台は4人と淋しいが、特に授業態度が悪かったせいでもなさそ…

採点、終了!

試験の時は時間を延長し過ぎて(2時半〜6時)、6時から始まる部活のオケの練習開始を遅らせてしまったようでハンセイ! この数日採点をして今日完了したのだけれど、幸い極端に低い点数が見当たらなかったのでたぶん全員に単位をあげられそう。(落伍者が…

来週は試験だヨ〜!

昭和文学をやってきたけど、テキスト収録作品はすべて読んだので永井荷風の昭和期の傑作「墨東綺譚」のプリントを配布しておいた。 様々な時代の様々な場所の<女>を描き続けた荷風であり、「断腸亭日乗」という近代日記文学の最高峰(一葉の日記と併称して…

次回は永井荷風「墨東忌奇譚」(ボクの字が出ない)

中島敦はテクストを読むこと自体が難しいようで、特に「名人伝」は難解な漢字が続出するので読めてないことが判明。 例えば飛衛の「許」(もと)や「とう尾」(漢字が出ない)の一振りくらいは覚えておいた方が恥をかかずに済む。 中島研究の後輩の「紀昌は…

先週できなかった梶井基次郎「愛撫」論から。 大正末のボードレールの小ブームの中に、富永太郎・小林秀雄等とともに梶井もあった。 『悪の華』冒頭「読者に」の最終聯に≪これぞ、倦怠。≫というフレーズがある。 テクスト中の「アンニュイ」がこのボードレー…

小説と物語の二重性   焦点化  三島由紀夫

やっと三島の「孔雀」を素材にして、<小説と物語>という二重の読みが可能なテクストの実際を講義できた。 『現代文学史研究』第二集の拙論は同様の読みができる「殉教」を中心にしたので、「孔雀」論は手薄だった分だけ今回の講義では大事な補足をしたつも…

<小説>と<物語>

多忙にかまけていたら、またまた「概論」記事の更新を忘れたいて申し訳ない。 太宰「魚服記」における<水のモチーフ>を確認して、これが太宰文学に通底することを補足した。 太宰「魚服記」は当初、スワの死体が発見されるというエピローグが構想されてい…

身近なテロ  <実体と表象>  <小説と物語>

『文藝戦線』やナップの機関紙『戦旗』の現物を回覧して、モダニズムの代表である『文藝時代』のオシャレな感じとの差異を確認してもらった。 関東大震災時にはフツーの日本人(自警団)がデマに乗せられるままに多数の朝鮮人を虐殺してしまったが(差別意識…

プロレタリア文学

モダニズム文学の補足をした後で、プロレタリア文学に入った。 プロ文についてだけでも5時間(コマ)は要するだろうけど、短縮形で講義せねばならない。 明治大正期は幸徳秋水や大杉栄に代表されるアナーキズムが主流だったが、昭和期になるとマルクシズム…

モダニズム文学  焦点化

前回の分の更新が間に合わずに申し訳ありませんでした。 このところあれこれと他の所用が重なり、時間が取りにくいのでツイ。 でも取り上げる作品が先週と変わらないので、その点では問題無かったようですが。 今日は帰宅する前に書き込みます。 記し忘れな…

横光利一の「蠅」です  教室はN206に変更

50人超という理想的な人数の割には教室が広かったので、全員が集中できるように丁度いい広さの教室に移った。 試験の際には次のコマまで解答時間を延長するので、5時限も使える教室が空いていてホントに良かった。 さて「夏の靴」を終りにするために、ボ…

初出・初刊・校異など

「夏の靴」の初出題が「白い靴」だったことから、原稿・初出・初刊から個人全集に至るテクストの変容という大事な問題。 テクスト・クリティック(校異)は古典文学でも外国文学でも研究の基礎。 テクストに手を入れたがる作家の代表は井伏鱒二や小林秀雄(…

今年の1年生は(も)スゲエ!

川端の掌編小説「夏の靴」という難物の<読み>から始めたのだが、意見発表3人(堀口・浜崎・高阿田)それぞれとても1年生とは思えない切れ味でビックリ! こちらが前日の大学院新入生歓迎会で二日酔いのために元気がなかったせいか、圧倒される思いだった…

難しいヨ

オリエンテーションとして、<読む>ことが中心となるということから、テクスト(論)・読者(論)・記号(論)へと話題が展開して行ったから難しく感じただろうけど、今から全て理解できなくても、これから分かっていけばいい。 今の学大は専門学校レベルの…