せくはら、その2

 面倒だがアホらしくも気持の悪い資料を、自分の手で打ち込まなければならない。①②の資料の「常軌を逸した」文言を楽しんだら、講座主任名で発せられた今さらのような「常識」を説いた、資料③の背後にある種々のハラスメントを推測して呆れていただき、しかる後に執行部が問題にしている私の文書に移ってもらいたい。

資料①(一昨年6月頃)

人文社会科学系教員各位

私は国語関係の教員ですが、名前は控えさせていただきます。本講座の先月の講座会議で、中○○○先生がなされた発言が、講座内で無視されていますので、義憤を感じて学系の皆様にご意見をうかがいます。
中某先生の発言は、高橋忠彦教授と高橋久子教授が、夫婦でありながら、同じ講座に居るのはおかしい、社会の常識から見ておかしいという事です。このような状態では日本語学の中で相談事ができないともおっしゃっています。この発言がたしかにされたことについては、嶋中学系長、佐藤講座主任が証人です。
にもかかわらず、講座の教員たちはこの正当な発言を無視しようとしているのは、長く中某先生のおそばにいた私としては、不満なことです。
中某先生のご意見に賛同される方は、教授会などでご発言ください。よろしくお願いいたします。

資料②(昨年3月)

○○○○先生(註〜○は空欄で、下記の「お力のある先生」の名前を入れたのであろう。)

突然のお手紙で失礼します。国語教育専攻の事情についてお知らせします。
本年度の修士論文3本の指導教員高橋久子教授は、中某先生に相談も無く副査を他の専門分野の人に決めました。それは日本語学の伝統的な美風を汚す行為であり、中某先生が講義(註〜「抗議」のつもりであろう)したところ、先日の専攻会議で中某先生を支持する人は少なく、無視されてしまいました。これは数の暴力であり、高橋夫妻が先生方に不正な根回しをしたにちがいありません。中某先生が立派な方なので(註〜原文通り)ねたんでいるのに違いありません。
私はこのようなことを許せませんが、しかも高橋久子教授は、中某先生に対し、今後も不当な言いがかりをつけるおつもりのようです。そこで人文社会学系(註〜「人文社会科学系」のつもりであろう)にお力のある先生に訴える次第です。今後中某先生に不当な批判があっても信用しないでください。
今の学系長は高橋夫妻に籠絡されているので頼りになりません。私が誰か判明するといやがらせを受けますので、それはしないでください。なお同封のものは、学生からもらったものの一部ですのでお納めください。

資料③(平成22年7月21日の日付で、日本語・日本文学研究講座主任 佐藤正光の名による文書)

 学部学生、院生、研究生(以下「学生」と総称します)に対する指導に関しては、基本的には教員の裁量に任されていますが、それは大学や社会から信任を受けているからであり、自律的な規範を持って、その信用を保つことを常に自戒すべきです。
 しかしながら近年、学生に教員の指導について不満を訴えるものがあり、改善が必要だと考えられますのでここに提起する次第です。ただ、このようなことは、一部の教員のみに関することではありませんので、今回は講座全体として学生指導に関してあらためて下記の点を確認したいと思います。いずれも議論の余地のあることではなく、そのように誤解される行為も含めて、われわれは慎重に行動すべきです。日頃から留意されている先生方にはご不快かも知れませんが、どうぞご容赦ください。

1) 人種による差別や、日本人学生と外国人学生との指導上の差別と受け取られるようなことを行わない。
2) 飲酒を強要しない。また、本人が望まない酒席への同席を強要しない。
3) 学生の経済状況に配慮し、経済的な負担を減らすように努力する。学生に対し、酒食の購入や、謝金を払わないサービスを強要しない。
4) 学生が授業で使用するコピー代は原則として校費に含まれて配分されており、コピーの代価を学生に要求しない。また著作権については厳格に配慮する。
5) 学生に対する指導の機会を保証する。指導の約束をした場合は、厳守する。
6) いかなる理由であれ、学生に対して威嚇的な言動を行ってはならない。
7) 学生が、キャンパスライフ委員会に相談したという理由で、何らかの報復行為をしてはならない。
8) いかなる場合であれ、学生に対し、情報提供をしないように命令してはならない。
また、情報提供者を捜し出すような隠蔽的な行為をしてはならない。
9) 学生の成績評価に関しては、責任を持った態度で対応する。

 今後、以上のような常識的な事柄を守らないような事態が発生した場合は、大学当局と連携して厳格な態度で臨むつもりですので、ご配慮のほどお願い申し上げます。
                               (以上が資料③)
 
人文社会科学系教員各位

    「国語関係の教員」を名乗る怪文書について       関谷一郎

 地震津波原発事故で日本が大変なこの時期だというのに、今、国語教室ではタイヘンな事態が生じており、ここに現況をお報せしつつご理解・ご協力を求めたいと思います。    

(以前、学系長選挙の後で上某批判文書を配布しましたが、その際に社会科のある人から「あなたの言う通りだが、ビラを撒くなら一部にではなく全員に漏れなく撒くように。」と言われました。私としては、以前の私同様に研究と教育だけに没頭している方の御心を乱したくない思いからでしたが、他意は無いので今回は人文社会科学系の方すべてにお配りする次第です。ですから生臭い話を自分の耳に入れてくれるな、という方はここで読むのを止め、ビラを不要文書置き場のテーブルに載せて置いていただければ他に回します。)

人一倍多忙な私がこんな説明・報告をしなければならない理由の第一は(急遽ブログにも書きましたが)、何とこの怪文書(資料②)を私が撒いたといウワサが出回っているということを耳にしたからです。或いは上某氏の特任教員延長に猛反対する私に対する嫌がらせとして、関係者が氏の得意なデマを意識的に流したものかとも疑われます。それというのも「朝方、関谷がメールボックスにビラを配布していたのを見た。」というようなデマ(単なる人違い?)まで飛び出しているそうだからです。毎日朝の5時前後まで起きている生活のため、午前中は殆ど生物としての活動ができない私からすれば「そんなのあり得ネー」ことですが、何よりも匿名の文書を公表することを心底から憎悪する私の習性(詳細は「関谷ゼミブログ」を参照)を敢えて無視したデマかもしれません。上某氏が学系長に選出された際に、そのクダラナイ結果に唖然とした私は「王様は裸だ!」という文書を実名入りで配布し、<社会(対)国語>という物語から双方が解放されるべきだと説きました(ご要望しだいで差し上げますが、これを機に研究室の廊下に貼り出すつもり)。そのミゴトな文章と比べていただければ一目瞭然、今回の幼稚極まる文体(笑えます)との差異からし怪文書が別人の仕業なのは明らかです。
 第二の理由は、日頃から教員集団の自浄能力の欠落(上某問題もその一つ)を批判してきた私としては、国語教室で起きている足元の問題を見過ごすわけにはいかないということです。しかしながら後述のように、問題の根本的な解決が教室・講座の能力を超えているので、ここに学系や執行部のご協力をお願いする次第でもあります。

さて怪文書が単に高橋ご夫妻(や嶋中学系長)に対する誹謗中傷に止まるものなら、ここに取り上げるまでもないかもしれませんが、事が学生に対するアカハラ(やセクハラ?)に関わっているものと理解されるので、大問題として提起せざるをえません。資料②が言う「日本語学」のメンバーは中○○○・高橋久子・白勢彩子(以上国語教室)と北澤尚(日本語教育教室)の4名ですが、専攻(院担当)としては中某・高橋の2名です(白勢は4月から正式なメンバー、北澤は日本語教育)。②が言及している「中某先生に相談もなく副査を他の専門の人に決めました」というのは確かに事実ですが、当然の理由があったので国語教育専攻の会議でも「他の専門の人」を副査として(2度繰り返して)承認したわけです。(私の前任校でも教員と院生とが修復不能な関係になった時、主査の変更がありました。)該当する3名の修士論文提出者に対する中某のアカハラ(1名についてはセクハラも?)が認められるというのが主たる理由で、1名は中某の声を聞いただけでもパニック症状が出るという大変な事態と説明されました。(この院生をはじめ、元々中某が指導教員だったものの、種々のハラスメントに堪えられずに指導教員の変更を求め、久子先生が引き受けるというパターンが多いとのこと。)
1度目の専攻会議で追認された高橋久子・石井正己・佐藤成光の3名が審査した結果、「合格」判定を出したのですが、3月2日の拡大研究科運営委員会で配布された資料「平成22年度修了判定に係る修了予定者の確認等について」には、論文試験・試験成績の「合格」がともに二重線で消されていたそうです。犯人は日本語学のパート代表(ただの連絡係で何の権限も無い)である中山某であり、運営委員会でも「合格」を認めない旨を述べたそうですが、このような世に言うキチガイ沙汰に対して田中委員長や馬淵前副学長がたしなめてくれたそうです(感謝!)。
もっとも本人は納得しなかった模様だったので、石井国語教育専攻代表が改めて専攻会議を急遽3日後に召集することになりました。5日までに改めて認定結果を報告しなければならないための突然の召集だったので、私を含めて参加できない者は信頼に足る石井代表に委任状を提出しました。中山某が納得するわけもないので、一連の行為がいかに「常識から外れている」(固着した中山像)かを見せつけるために石井代表が多数決を採った結果、中某支持は北澤票を足して2票に過ぎませんでした。資料②が言う「数の暴力」はこのことを指しています。「高橋夫妻が先生方に不正が根回しをした」わけではないのは周知のことであり、「中某先生が立派な方なのでねたんでいる」と言われると学生を含めた誰しも笑いが止まらないことでしょう。誰が書いたものなのかは後で検討しますが、恐らくご本人も「立派な方」だという認識は無いと思います(あったらいよいよアブナイ!)

ここで上述した、中某(達?)が犯したハラスメントについて補足しておきたいと思います。昨年の夏休み前の講座会議で、佐藤正光講座主任から「学生、院生等の指導に関する注意喚起」という文書(資料③)が講座構成員に配られ、読み上げられました。その時までに記されたようなハラスメントの情報が寄せられ、講座として見逃すことはできないという判断からです。種々のハラスメントが昔から為されてきたのですが、多くは学生の泣き寝入りで表面化しなかったものです。寄せられた情報は回収されたので、私が記憶している具体例で説明すると、
(1) 主に中国の女性留学生に対して、「特別」な指導をするということ。人種差別や女性差別の意識が強いと思われる。
(2) 酒席に参加することを強要し、断るとツラク当たる。
(3) 酒やビール券を学生負担で買わせる。毎月2〜3万の負担があるという苦情まで。
(4) 大学の印刷機で作製したテキストを数千円で売りつけ、集めた金を着服する。
(5) 指導する時間を約束しながらも、例えば「熱海に帰るための特急に乗る時間だから」という理由でスッポカス。実は熱海に移る前(小平住所)から指導を放棄して逃げ回るのは学生の間では有名で、苦情が出続けていて私も聞いたことがある。「そもそも週に1度来るか来ないかなので、捕まえるのが大変です。」という院生の声。
(6) しばしば大声を出し続ける発作を起こして学生を(同僚の久子先生をも)威嚇する。
(7) 前述の「セクハラ(?)」と記した例であるが、それ以外にもセクハラ情報が寄せられており、専攻が同じだった荒尾元副学長にもみ消してもらったこともあるという(これも中国人女性)。この項に該当する情報だったか、前期Aだった成績が後期には「報復」されてFにされたという実例があった。
(8) 自分の「犯罪」について緘口令を布いて情報が漏れないようにするので、なかなか表面化してこなかった。
(9) 具体例を思い出せないが、今回の「合格」を勝手に取り消してしまうのもその例か。
   
 情報を集約しつつ、当初は厳罰を視野に置きつつ対処するという考え方もあった。しかし処罰は避けてやって欲しいという同情の声もあったので、主任判断で「犯人」を前景化せずに文書によって講座全体に「注意喚起」する形に止めたわけであった。文書の末尾には「常識的」!な事柄を守れない場合は「大学当局と連携して厳格な態度で臨む」とあり、これで上記のハラスメントに対する抑止効果を期待したものの、全く期待外れだったのが今回明らかになってしまった次第。やはり「常識」が通じる相手ではなかった! 
その兆しは、既に休み明けの前期成績が閲覧可能になった際にも現れていた。中山某のもとへ「欠席は無いし試験もできたはずなのにFを付けられた」学生がその説明を求めに行ったところ、「説明するから部屋の外に出よう」と言われるままに出ると、ドアを閉めて鍵を掛けて閉じこもったそうである。中某にあっては有りがちな話で、つい苦笑が洩れてしまうが、笑って済ますわけにはいかない問題であった。該当する学生に来るように手配したものの、現れなかったのは「報復」を恐れたものか。確かに吾が学大でも学生と教員との<非対称>な関係は拍車が掛かる一方ではあるが、中某ほど学生を「差別」している例は無いと情報が語っている。

ここまで補足すれば、資料①②が「中某先生」にイカれた者による誹謗中傷であると、ご理解いただけたことと思います。問題は具体的には誰の仕業なのかということですが、最近知ったのは中某研究室に出入りしている中年女性がいて(院修了生)、日頃から「中某先生」の信徒であることを公言しているとのこと。国語講座の事務助手募集に応募した際にも、聞かれもしないのにその旨を強調したとか(結果は不採用)。中某が一般の教員・学生にどう見られているか全く分かっていない、まさにイカれているとしか思えない人物像です。実に不可解なのがこの手の信徒の心情ですが、信徒が狂徒化するのは世の常、資料②で言う「同封のもの」とはビール券だそうです。オームが流行った頃、その風貌から中某は麻原に比されてか(オーム語の)「グル(尊師)」と冗談半分で呼ぶ人がいましたが、今回中某の信徒が撒いたのがサリンでなくビール券だったのが唯一の救い、ということでしょうか。とはいえ、受け取った方が「気持が悪いが、誰に返していいか分からないから教授会に諮る」と学系長に言ったとか。前述の中某関連の情報からすれば、このビール券は「学生からもらった」のではなく、学生に買わせた可能性も出てくるわけですから、いっそう気持悪いシロモノということになります。
素直に考えれば、誤字を含む幼稚な文体から見て真犯人はこの中年女性で(あるいは別の信徒)、「人文社会学系(原文ノママ)にお力のある先生」を選んでビール券を撒くように指示したのは御本尊の中某ということになります。中某氏に問い合わせましたが回答は得られていません。学生・卒業生に意見を求めると、いかにも犯人と思われる者はたいていが違っているというのが推理小説の常道とか。資料①②ともその信徒の仕業と思わせながら、二人の教員が共謀したか、どちらかの単独犯の可能性は否定できないという考え方を示されました。推理小説に全く興味のない私には目からウロコの見解ですが、犯人がこの3人に限られるのは否定できないようです。(以上はあくまでも①②が同一犯という前提の検討。)
ともあれ中某なる存在は、穏やかに言って聞かしても伝わらない「三歳児」(私の命名で共感者多数)であることは既述のとおりです。それでも一昔前のように「いい加減にしろ、このノイローゼ野郎!」と叱りつけたそうな、エライ先生が居られた頃には中某もおとなしくしていたものでしたが、自分が最年長になった今は抑えが効きません。辛うじて私一人が以前「告発する」と脅かしながら、中某が未納のままシラバックレていた講座費や学大国語の学会費数年分を払わせたりしていたものでした。その際にも同僚や学生から届いていた問題行為(他人の旅費・図書費等の予算を勝手に使いこむ等)に対しても反省を促しました。それなりの成果が得られたと思われたので、本人の要望に沿って講座会議で告発は取り下げる旨を伝えました。その後に文書でも、「職場から遠距離に住むようになると休みがちになるから」と注意しつつ(無駄だったようです)、告発する姿勢は解除する旨を伝えました。(少しは抑止力のある私が緊急専攻会議に出席できなかったので、期待していただいた方々から苦言を頂戴したのも、この文書をまとめている理由の一つです。何よりも「堪忍袋の緒が切れた」!)
それで無罪放免されたものと勘違いしたものか、ひとまず安心した私(達)の目を逃れつつ種々のハラスメントを繰り返してきたわけです。最近では夫人である久子先生をハラスメントから守るために、忠彦先生が頑張ってきた結果が資料①②のような夫妻に対する誹謗です。盗人猛々しいかぎりで見逃すわけにいきませんが、中某には権限を持って強く諭さないと効果がありません。嶋中学系長は講座内で事態を収束したいご意向ですが、もはや講座・教室の能力を超えていると考えます。佐藤講座主任・久子教室主任・石井専攻代表の頭の下がる御苦労の数々を無駄にしないために、また講座構成員が余計な労力・時間を強いられて教育・研究の妨げを受けないためにも、そして何よりも種々のハラスメントから学生を守るために、これ以上中某を放置することは許されないでしょう。例えば資料③の(7)に集約された、元になった情報を読んだキャンパスライフ委員経験者の「これだけで十分クビになります」と言った言葉が印象的でした。数年前にセクハラを理由に突然解雇された人文社会科学系の同僚がいました。セクハラに関する具体的情報は明かされなかったので比較しようがありませんが、平等の原則からすれば中某の行為を再検討する必要も出てくるはずです。執行部の一部の見解として「過去の事だから〜」と逃げ腰な発言もあったとか、被害者の傷痕を思えば逃げていられないはずであるし、逃げ腰こそ新しい犠牲者を生む温床であることを忘れるべきではないでしょう。心理学で言う「幼児的な万能感」(ウイニコット)に浸っているヤカラには、権限を持った執行部が強い姿勢で臨まない限り犠牲者を増やすだけ、執行部の責任は重いと考えます。
                         (2011、3、30)