23日は志賀と谷崎

今日は荷風だけで終わった感じです。
それも仕方ないほど、荷風には語るべきものが多いということです。
具体的なことは繰り返しませんが、「深川の唄」についてはテキストの解説が言及していない<批判精神>は忘れないで欲しいと思います。
単に失われたものを「なつかし」んでいるのではなく、それを失わしめた<近代>なり薩長の<新政府>を嫌悪するスタンスを保持し続けています。
言い忘れましたが、同時期の漱石現代日本の開化」と通じるものがある、という視点を持って下さい。
近代文学では有数の日記文学の作者であって「一葉日記」と双璧ですが、ともに文語で書かれた日記は文章の上手さ・スゴサでは他に類例が見出しにくいでしょう。
来週は直哉の殺人事件と、谷崎の変態趣味を扱った作品を読みます。