オルセー美術館展

他の曜日より遅くまで(8時)やっているので、金曜に行ってきた。
10余年前にパリに何日かいた際には、敢えて観に行かなかった、あるいは行けなかった美術館である。
行けなかったというのはジャミラが強情にユーロ・ディズニーへの同行を言い張ったので(信頼する友人家族が母子を連れて行ってくれると言ったのに)、大嫌いな遊園地で人生で一番無意味な1日を送るハメになったからである。
日本に住んでいて良かったと思うことがあるとすれば、美術でも音楽でも居ながらにして海外のものを見聴きできる点である。
だからオルセーには行かないで、ルーブルオランジュリー美術館(モネの睡蓮の大作がそろっている)、モロー美術館(日本に来るとしてもたぶん一部だけで今回も1点のみ)といった日本では観られないものを選んで行った。
ところが数年前のマネ展もそうだったが、いざ日本に来てもなかなか行くヒマを作れなくてタイミングを逃したり、退職後の身なのでいつでも行けると思っていると気づいたら終わり間近だったりで、悔しい思いをしがちなのは根がグズなためだろうか。
もっと早く行って皆さんに薦めておくべきだったと悔しいのは、10月20日までなので間もなく観られなくなるからである。
わざわざ運んでこなくてもいいものを、と思わせる未知の(中には有名な)画家の作品も数点あったけれど、逆にぜひ観ておくべき作品がそれ以上あるので充実していた。
中でもマネの「笛を吹く少年」、カイユボット「床に鉋をかける人々」、モネ「かささぎ」「死の床のカミーユ」「サン=ラザール駅」といった著名な作品はやはり実物のオーラが伝わってくるので見物。
カイユボットなどはテレビ画面で観ていても何で当時からずっと話題になり評価されているのかが解らなかったけど、床と鉋クズを観ていたら自分なりに納得できて嬉しかった。
マネの「ロシュフォールの逃亡」もテレビ番組(ぶらぶら美術館で山田吾郎?の解説)で知ったのだけれど、実物が素晴らしい!
この番組はおぎやはぎもレギュラーで、低能無能なのにでしゃばり屋のおぎが邪魔で不愉快なのだけれど(最近は自覚できたのか控え気味なので我慢できる)、女性レギュラーが見る甲斐があるのもイイ。
今の女性は学大に留学していた男勝りの岩沢あすか(と自称する中国人)にチョッと似ているのが気がかりなので、前の女性の方が良かった、というのはどうでもいい話か(でもあすかを知っている人は見て確かめるとオモシロイ)。
セザンヌもチョッと有名な「首吊りの家」や「自画像」など何点か来ていて興味を引くのだが、いつもながら考えさせられるので疲れる。
疲れた頭にはシスレー(やピサロ)がたくさんあるのでホッとさせられる。
笑えたのはカバネルの「ヴィーナスの誕生」で、当時は絶賛されたそうだけれど、今見ると何ともバカバカしくて時代の推移を感じさせてくれる。
細々記しているとキリがないけれど、観に行く価値は十分あるので責任をもってお奨めします!