小林秀雄の龍之介論  次回の発表者は?

これも遅ればせながらの報告です。
12月23日に小林秀雄の初期評論である芥川論を、小林の専門家の津久井秀一氏に発表してもらった。
難物の小林にも拘らず、いつもどおり15人ほど集まったので驚き。
レジュメ自体より議論が期待以上に盛り上がって、充実したゼミだった。
小林だけにフランス文学との関連に話しが及んだが、実に幸いなことに渡仏中のユキオちゃん(一橋大院生のニシムラ君)が参加してくれて補填してくれたので理解しやすかった。
津久井氏の論は独自で、小林は若き日の自己否定を重ねながら龍之介を否定したのだという定説をひっくり返そうとしたもので、当初は反論が続いたものの討論が終るころにはその主張が明快になり、説得力を増した。
同じく小林秀雄で最初の著書を出したイチローとしても、最後には津久井論のユニークなところが伝わってきたので、「そうきたか!」と納得できた。
津久井氏は当初春樹で発表を望んだけれど、ハルキなら誰でも発表できるから小林でやるようにイチローが勧めたというウラ事情があったが、得るものが多かったので津久井氏本人が喜んでくれたのが何よりの収穫だった。

次回は1月末頃にしたいものの、積極的にエントリーする人がいないまま発表者が未確定なので交渉中。
2月3月の発表希望者がいれば、ぜひお願いしたいので連絡ください。