殺人鬼プーチン  ボリス・ネムツォフ  リトビネンコ  ユーシェンコ  加害者意識    

北朝鮮の低能坊やが腹違いの兄を殺したことが話題をさらっているけれど、そのお蔭かロシアの反プーチンデモの影が薄れてしまったのは残念至極だった。
ボクもたまたま見ていたニュース番組で取り上げてくれたので知ったくらいだから、大方の人は知らぬまま過ぎてしまったものと思われる。
2年前のロシアの野党の副代表だったボリス・ネムツォフが、人気の少ない公道で銃殺された映像は忘れられない。
犯人は昔プーチンが在籍していたKGBソ連国家保安委員会)の仕業に違いない(他に誰がやるか!)。
これまで128人ものジャーナリストを暗殺したプーチンの手口を認めることのできない人々1万人前後が(人数は報道によって異なる)、ネムツォフの命日に勇気を奮ってデモに参加していた姿は近頃ない感動を覚えたものだ。
よく知られたプーチンの犠牲者としてはリトビネンコだろう、放射能を浴びせられて頭髪が抜けてベッドに横たわっていた姿といえば分かるだろう。
またダイオキシンを飲まされて肌がブラマヨの吉田以上に荒れた顔のウクライナ大統領がユーシェンコ、ロシア離れをしようとしたための報復として殺さるところを命だけは助かったということか。
どれをとってみてもプーチンの意向で殺されたりしたにも拘らず、当のプーチンは澄ました顔で大統領の地位に納まっているのだから恐ろしい。
北朝鮮の恐怖政治と本質的には変わらないにも拘らず、反プーチンのデモにくり出したロシアの良心を代弁した人々には共感しつつ頭が下がるばかり。
プーチンの支持率は8割を超えると聞くとロシア人の低能さに呆れてしまうところたけれど、「ロシア・ファースト」をウクライナにも押し付けてクリミアを強奪した勢いで東部ウクライナをも切り離そうとする排他性は、トランプにつながるものでアメリカ人のバカさ加減も思い合わされる(安倍晋三を総理大臣にしている某国民も恥を知るべきだが)。
「ロシア人・ファースト」と「アメリカ白人・ファースト」と並べてみれば、プーチンとトランプの距離が両国の地理的距離に比すまでもなく近いことが判るだろう。

今、放送大学で一番信頼できる高橋和夫さんの「パレスチナ問題」というシリーズの講義を聴きながらブログを更新しているのだけれど、ユダヤ人(イスラエル)のやり続けている悪行がまた「反アラブ」でトランプにつながるのだけれど、パレスチナ人を追い出して植民したユダヤ人の姿は満州における日本人の姿に重なって想起された。
ソ連の参戦で中国大陸や朝鮮半島から追い出された憎しみを忘れないのもけっこうだけれど、その手の《被害者意識》だけでなく中国や朝鮮の人たちに対する抑圧者としての《加害者意識》を決して忘れてはならないという点を強調しておきたい。
国民に潜在する《被害者意識》に依拠したのが社会党共産党などの「旧左翼」であり、《加害者意識》を強調したのが「新左翼」であり「全共闘」だった歴史的意義が薄れようとしているのは残念であり、きわめて危険でもある。

歴史はくり返すという愚かしい「真実」を苦々しく噛みしめながら、今日の番組が終るのでこの辺でキリを付けよう(番組自体は明日以降も続く)。