放送大学  「現代フランス哲学を学ぶ」  本郷和人

最近は一段と放送大学の視聴者としての生活が多くを占めている感じ。
お蔭で読んだり書いたりする時間が減っているのは明らかながら、おススメ番組もあるので記しておきたい。
とはいえテレビの方は録画してもらえばいいのだけれど、ラジオの方は(ボクはテレビで聴いてるけど録画はできない)録音する機器は無い人が多いのが時代の趨勢だろうネ。
おススメは午後1時から2時半まで2回分、「現代フランス哲学を学ぶ」はスゴク充実している番組。
殊に昨日今日はベルグソンの解説なので、とても関心があるところ。
たいへん丁寧な説明だけど、難しいことを整理した形で読み上げるので、なかなか聴いて理解が及ぶものではない。
雑念を排して聴こうと思い、瞑目して聴いているとすぐに眠りに入ってしまう、食後だし。
そこで数十年溜まった書信を整理しながら聴いていると、放送の中身があまり理解できないので、書信の整理だけが進んで終わる。
ラジオは長島弘明「上田秋成の文学」が終ったところだけれど、(在学中から傑出していた後輩だった)長島さんにしては切れ味に欠けたフツーの概説に終始していた印象だった(作品の粗筋紹介はありがたかったけど)。
古典では島内裕子「国文学研究法」が継続中でメールチェックしながら聞いたりするけど、(年齢差が大きいので学生時代は知らない)こちらは切れ味は全く感じられないものの、優等生らしいこじんまりとしたまとめ方に終始していてツマラナイ。
徒然草」の専門家らしいのだけれど、古典のみならず近代文学まで言及する蛮勇・厚顔の持ち主でヌケヌケとしゃべりまくるのはリッパと言うほかない。
そもそもこの人が文学を語る必然性のようなものが全く伝わってこないのが一番ザンネン、番組で秋山虔の名を連呼していたけど違和感ばかり、天上から秋山先生の苦笑が聞こえる気がしたものだ。
ラジオでは気付くのが遅かったけど、先般午後に放送が終ったばかりの「ロシアの政治と外交」の再放送を午前中にやっていたのを知らずにいたら、明日あたりが最終回かも。
珍しい講座なので最初から全部キチンと聴きたいものだナ。
あまり聴けなかった「臨床心理学特論」も2回ずつ放送していたけれど、これも間もなく最終回。


テレビの方は「日本の古代中世」が今までになく充実した印象。
というのは11回あたりまでで、近藤成一という人の解説がこれまでの類似した講座(放送大の日本歴史は何度も改訂されてきた)には無かった面白い話を聴けた。
やはり講師を換えた効果だと思うけど、12回からはお馴染みの本郷和人に代ったのでチョッとガッカリ。
この人、十年以上前の放送大に登場した時から初々しくて人は良いのだけど、学問的には狭いというか薄い感じを否めない。
昨日は今はやりの応仁の乱のタネは、義満が細川・大内・山名・土岐などの豪族を武力で圧したことにある、という新説を説いたので驚いて自家の「日本の歴史」(小学館)の「室町幕府」の巻を開いたけれど、それらの闘いについての記述が無かったので確認できなかった。
本郷さんはこのところテレビにも露出していて、「英雄たちの選択」などでは切れ味の良いことも言うのだけどネ。
今日の第14回では小牧城跡の発掘現場を訪れて、現地担当の人からとても興味深い話を聴き出してくれていて面白い(これを書きながら見ている最中)。
番組が終ったから、ブログの更新もこれまで。


テレビをNHKニュースに切り換えたら、東北の海の回復(8割がた)している海中の映像が映っていて嬉しいかぎりだけど、まだまだ大きな瓦礫が漁師網にからんでしまい莫大な被害も出ているとのこと。
瓦礫が海底で動くので取り除くのも大変らしいものの、オリンピックに使うカネがあれば東北に回すべきだヨ、絶対!
カーリングの刷毛では海底のゴミは取り除けないしネ、・・・これは「情況への失言」かな。