【見る】放送大学「舞台芸術の魅力」の尼ケ崎彬  青山昌文のトラウマ(芸術は自己表現ではない)  

 今日の「舞台芸術の魅力」(午前10時半から2コマ)は第6回の「ダンスの現在」で、尼ケ崎彬さんが土方巽ピナ・バウシュの録画も見せながら現代のダンスを講義していたので(ビデオには録画してあるけれど)、蒲団の中でジックリ見てしまった。尼ケ崎さんは以前の桐原の教科書にも載せた人、芸術一般に理解が及ぶ人だから美術のジャクソン・ポロックや音楽のジョン・ケージと関連付けながらマース・カニングハム等のダンスを位置付けていた。どれも作者の意図を排除した芸術ということで同時代性を共有しているわけだけど、そう言えば3バカ代表の青山昌文の口癖が「芸術は自己表現ではない」であり、不必要なほどくり返すのでウンザリするネ。現代では今さら言うまでもないことを呪文のように強調するのは、長いこと芸術は自己表現だと信じ込んでいたところ、「自己表現ではない」と教えられた時のショックがよっぽど大きかったので、トラウマになっているのだろネ。

 ともあれ昨日は第4回「バレエの古典」・第5回「バレエの現在」を鈴木晶さんが専門的な知識を背景にバレエの歴史を懇切丁寧に説明してくれ、今日は尼ケ崎さんがダンスを他の芸術運動と呼応させながら講義してくれたので、たいへん楽しい朝(?)を味わえたヨ。そこまでは良かったけど、続く第7回は青山がミュージカルを担当していたので、オペラは好きでもミュージカルについては未知なボクなら何か教えてもらえるかと思いきや、内実の無い話ばかりでただただ著名なナンバーから代表曲を流すだけなので(予算の関係で映像無しなのは仕方ない)、これならバカにもできると思ったネ(事実3バカだった)。変ったハナシをすると思えば、作曲家のロイドウェッバーと歌手のブライトマンとが、互いに離婚してまで結婚したという週刊誌ネタだけだったのは、呆れるだけだったネ。

 オペラも青山が同じような手口で無知・無恥ぶりを発揮するだけだから、シロウトが好きな曲を紹介しているようなもので、とても大学の講義などとは言えない。音楽については全く蓄積が無いのに、なぜ青山以外の講師はハイレベルな「舞台芸術の魅力」という番組にまで出しゃばりたがるのか、厚顔無恥をさらすだけなのにネ。他の2人のバカも同じで、むやみに専門外の講義を担当したがるから、放送大学が詐欺をしているように思われても仕方ないネ。

 ともあれ「舞台芸術の魅力」は、青山昌文以外の回はとても充実した内容だから、(毎朝2コマずつ)録画してでも見るべきだヨ。今回は無理でも、今後も再放送するだろうから、次の機会を捉えるのを忘れないでネ。