【読む・見る】吉増剛造と佐野元春

 Eテレの「スイッチ・インタビュー」は時々ステキな組み合わせで、充実した時間を体験できることがある。たまたま今は吉増剛造が出ていたので(ホームレスかと思ったヨ)そのまま見ていたら、佐野元春が相手だという。佐野も異常なほど垂れていた涙袋(下まぶた)を整形したのか、実にスッキリした顔をしているので驚き。さらに佐野が若い頃に詩を書いていたというのも驚きだけど(有名な曲しか知らないからネ)、佐野が文芸誌でビート詩人のギンズバーグについて語ったのを吉増が読み、佐野を指名して対談がなされたのだネ。

 吉増が映画で自作を朗読している TONGUE (舌)のくり返しに佐野が注目し、佐野の歌詞の「勝利する」を吉増が SHOW REAL と読み換えたりするのだが、吉増によれば両方ともジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」の創作方法(リズム)に近似していると言う。ジョイスのこの難解極まる小説は、先日むかしの高橋源一郎文芸時評朝日新聞)に取り上げられていたので、本棚から取り出したあったのも偶然だネ。

 吉増の初期代表詩集『黄金詩篇』からや、佐野の詩集からの2人それぞれの朗読も聴けるヨ。

 

 次回の「スイッチ・インタビュー」は先般ブログに取り上げた画家の千住博(おバカ作曲家の千住明の兄)と、宇宙科学者の佐藤勝彦(東大)の2人だそうだ。