【読む】柳家さん喬(は面白い)  柳家小三治(はダメになった)

 朝日新聞の連載記事「語る――人生の贈りもの」は楽しみにしていたのだけど、このところ囲碁・料理家・嫌いな漫画家(楳図かずお)と関心の無い「人生」が続いていたので読んでなかった。漫画はあまり読まないけど、汚い絵の漫画は特に見ないネ。朝日の夕刊に連載しているしりあがり寿の絵も汚いので全く見ないけど、楳図の漫画は学生時代から汚いので読んだことないネ。漫画が嫌いというわけではなく、小学生の頃(昭和30年代)には白土三平が大好きだったので(友だちは注目してなかったけど)、大学生として「カムイ外伝」を見た時はあまりにビッグな漫画家になっていたのでビックリしたものだ。

 ともあれ現在「語る」は面白い落語を語る柳家さん喬の連載なので楽しんでいるヨ。昨日の第12回はさん喬が兄弟子の小三治の夢を見るようになったけど、だいたい40代の頃の小三治が多いものの晩年の夢は見たくもないと語っているのはヤッパリと思ったネ。以前にブログにも書いたのは、小三治はヒトがイイだけでとても人間国宝になる芸じゃないということネ。さん喬が夢で見たいと思わない小三治は、老成して「人がものすごい変わりました。文化人じゃなきゃいけない、みたいな。」という変貌ぶりネ。たぶん人間国宝に選ばれて「文化人」を演じるようになって嫌味が出たのだろネ。小三治には荷が重かったはずで、さん喬は「敬う人ばっかりが周りにいて、自分が噺家(はなしか)でいる楽しさを、どんどん奪われてった。」と評しているけど、大当たりだネ。