【見る】「100分で名著」  「新約聖書」  若松英輔  『小林秀雄 美しい花』のイカガワシサ

 おススメの番組である「100分で名著」は、現在「新約聖書」を若杉英輔が担当している。他の番組と重なるのでチョッと見ただけだけど、若杉英輔の解説なので分かりやすくかつ面白い内容になっていると思う(聖書の専門家に言わせると、若杉は薄っぺらだと言うかも)。この人は宗教について語らせると、難しいことでも理解しやすく解説してくれるから頼りになる。でも調子に乗って何でも分かっていると勘違いしやすいところがあるので、モノによっては要注意だネ。

 ちょうどブログに記しておこうと思っていたので(既に書いたかな?)ついでに注意しておくけど、むかし書店で立ち読みした『小林秀雄 美しい花』が文春文庫になっていたのでゲットして一部を読んでみたけれど、やっぱり信頼できる書物ではない。小林テクストや参考文献をそれなりに読んでいるものの、自分に都合のイイように(宗教寄りに)理解してしまった上で思い付きを並べるので、真に受ける人にとっては有害でさえある。

 いちいち例を上げるヒマは無いけど、一部を読んだだけでもヒドイ記述が目立つのでおススメできないのだネ。この手の(一般の批評家や作家の手になる)小林秀雄論の根本的な欠陥は、研究者の小林論をいっさい読まずに勝手なことを書くので、信用できる書物にならないのだネ。故・佐藤泰正先生が憤慨していた橋本治の小林論(ボクはハナから読んでない)がその代表だろうけど、山本七平のものだけは許せて楽しめる気がするかな。学生時代の全共闘仲間だった鹿島茂のはオソマツ極まるものだけど、ブログで紹介したことのある橋本大三郎さんの書は、「本居宣長」に限られているものの研究と呼べるほど優れたものだネ。