【読む】『文藝空間』最新号  谷崎論と川端論など

 原善さんから『文藝空間』第15号をいただいた。大昔(?)から頂戴しているけど、最新号を見るかぎり質量ともに落ちていくばかりの印象かな。巻頭に詩や小説が掲載されているので、研究誌にこの類の創作が載るのは研究誌の質が落ち目になる現れだと思うけど、「編集後記」を見たらもともとの創作家だそうで研究誌と創作誌との共存ということかな。巻末には同人たちによる「村上春樹アフォリズム集(2)」というのも載せられて裾野を拡げている感じだネ。

 キチンとした研究としては実績のある中川智寛さんの谷崎潤一郎「顕現」論(未知の作品で論も未読)はじめ、谷崎(1本)や川端(3本)の論が掲載されているので研究者も手もとに置きたい雑誌だろネ。