【状況への失言】闘う者に対する嫌がらせ・弾圧  中西準子  最首悟

 ロシアやミャンマーなどでは独裁者の横暴に対する弾圧で殺されたり・国外に脱出する人が続出しているけれど、我が日本国でも警察の露骨な弾圧に限らず見えにくい嫌がらせも少なくない。いま朝日新聞の連載「語るー人生の贈りもの」では中西準子という人が取り上げられていて、今日はその第13回目だ。未知の名前だったけど、環境工学者という肩書で公害などから人命を守る研究を続けている人なので、職場(東大など)で嫌がらせを受けて長期にわたって助手の地位に据え置かれて教授だったのは最後の数年だけだったという。同じような研究をしている宇井純という人も類似の嫌がらせを受けていたことが思い出されたけど、この手の犠牲者としてはボクには最首悟という偉人に行きつくネ。

 最首さんについては何度か記してきたけど、「万年助手」だったことは書かなかったかもしれない。全共闘運動が華やかな頃に全学の助手を組織して「助手共闘」を作った人で、手離しで尊敬する人の1人。吾が指サック先生(山田有策さん)も全共闘の闘志だったので東大教授になれなかったものの(クボジュン=久保田淳が拒否したという説が強い)、三好行雄師が東女に就職させてくれたのだから三好師はエライ! しかし最首さんはそういう上司(?)がいなかったので、「民主的」と言われた東大教養部教授会でも助手に据え置かれたままだった(その後の最首さんについては過去の記事を参照してもらいたい)。

 闘う者が弾圧されたり・嫌がらせを受ける例は最首さんに限らないとは思っていたけれど、中西さんの記事を読んでいて元気が出たヨ。気をつけなければいけないのは、実力が無いのに職場の地位が向上しない人が犠牲者ぶって不満をタレ流す場合ネ。ボクが定時制高校の教員だった時、採用試験に合格できないまま非常勤講師を続けている人も少なくなかったネ。彼らが非常勤講師組合を作ったのはいいけれど、上部組織の都高教や日教組の力を借りて採用試験に合格できないままに組合員全員が専任になってしまったため、ロクに授業もできない教員が発生してしまった(中には教員用指導書をコピーして生徒に配布したクソもいたそうだ)。生徒の利害を中心に考えていたボクとしては絶対に許せないことだったけど、当時の人のイイ都知事・美濃部さんが組合に温情を発揮してしまったのはマチガイだったネ。