【状況への失言】LGBTQだけでなく・・・  荒井裕樹さんの文章

 朝日新聞は毎月7日に主要文芸誌4誌の宣伝が載る。ほとんど買いたく(読みたく)なることはないけれど、今月の『文學界』には荒井裕樹さんと市川紗央さん(未知の人)との往復書簡「世界にとっての異物になってやりたい」が載ってるヨ。荒井さんのエッセイが以前朝日に連載(週一のペース)されていたのは面白かったものの、今度の往復書簡は敢えて読もうとは思わないのもトシのせいかな。釣り以外には積極性が出てこなくなっているネ。ともあれ情報だけは伝えておくネ。

 

 『すばる』の特集は「トランスジェンダーの物語」というもので、桜庭一樹(トミーの卒論対象)以下9名の人(ほとんど未知の人)が書いている(「物語」というのだから創作かな?)。いずれにしろこのところ朝日新聞LGBTがらみの記事が毎週のように載っているけど、これは朝日らしさの現れなのかナ? というのは読売や産経が同じようにこの問題を取り上げているとも思えないからだネ。手もとに残してある記事だけを紹介してみると・・・

・ 6月18日 「朝日新聞 グローブ」第281号が1ページを使って中川竜児という編集部の人が「多様『性』 見えていますか」という記事を書いている。

 LGBTの許容ではもっとも進んだ国であるデンマークの歴史と現況を紹介しているけど、後進国の日本人としては驚きの連続だネ。同性愛者は生産性が無い、その他の差別発言で有名になった自民党杉田水脈(みお)はじめ自民党員に読ませて、世界の現実を学ばせたいネ。ボクも新たに学んだのは、以下の記述だ。

 Qの説明として「クィア(特定の枠にあてはまらない人)やクエスチョニング(自分の性的指向性自認が分からない、はっきりしない人)」

 Aは「エイセクシュアル(他者に性的魅力を感じない人)

 I は「インターセックス(身体的な性が男性と女性の中間、あるいは、どちらとも一致しない人。性分化疾患とも)などだ。」

 「近年はLGBTといった限定を避け、あらゆる人に関係する「SOGI(ソジ)」(性的指向=Sexual、Orientation=性自認=Gender Identityの頭文字)という略称を使う動きが広がっている。」

 ソジなどと初耳で己の不勉強をハンセイするとともに、いつもながらあまりの「多様性」が十分に理解できないでもどかしいネ。ホントかな? とは思うものの、それが現実だということは認めなければならないので、杉田水脈などの差別的言動に対しては批判して行かなければならないと改めて思うネ。

 

・ 6月28日の「世界発」という欄に、「トランスジェンダーの権利 米で政治争点」という記事が載っている。アメリカではトランスジェンダーの人たちの権利をめぐる問題が、政治的争点として前景化しているとのこと。具体的にはトランスジェンダーの未成年に対して、それぞれの性自認に沿った形でホルモン投与を規制するかしないかという争点だ。規制しようとする共和党と規制に反対する民主党との分断の根は深く、大統領選挙でも大きな争点になるという。アメリカには杉田水脈並みの遅れた知能があふれているということだネ。

 

・ 7月6日夕刊の「around Stage 」の欄には第76回トニー賞にもこの分断が露骨に現れていることが報告・分析されている。芸術評価の問題にもLGBTをめぐる分断が明確に現れているというのだから、呆れてばかりではいられないネ。もちろんそれ以前からの黒人差別が温存されつつ新たな差別が持ち込まれている、という情けない傾向だ。いかなる差別に対しても闘い続けなければならないのは言うまでもない。

 どの記事も自分で読んで学習してもらいたいネ。