【状況への失言】日本軍のBC級戦犯に恩赦を与えたフィリピン大統領

 帰宅後たまっていた新聞(スポーツ欄だけは毎日読んでいるのだけど)を読んでいたら驚いたネ。朝日の8月11日の「残響 78年後の「戦争」」という連載の1⃣に「戦犯解放した比大統領」と題する記事が載っていた。表題だけは見たのかもしれないけどスルーしていたのだネ。「妻子を殺されても選んだ赦し(ゆるし)」という別の見出しもあって妻子を殺したのが日本軍だというので驚いたのだけど(以前知ったけど忘れている可能性もある)、戦争期のフィリピン大統領だったエルピディオ・キリノは日本軍の妻と4人中(?)3人の子供を殺されたにもかかわらず、犯人のみならず多数のBC級戦犯に恩赦を与えたという信じがたいまさかの事実!

 《フィリピンでは、国民111万人が犠牲となったとされる。フィリピン軍による裁判では、民間人殺害が性暴力などの罪で日本軍の137人が有罪になり、半数以上が死刑判決を受けた。執行されたのは17人。恩赦によって、収監されていた105人が再び日本の土を踏んだ。》

 冷戦下でアメリカが日本を重視したための対日融和の方針をとったのと歩調を合わせたという見方もあるようながら、キリスト教徒であるキリノ個人の強固な赦しの思想なくしてはありえなかった恩赦だろう。フィリピンにはピープル・パワー革命で国を追われた先代のマルコス夫妻(妻が一段とクソだった!)や、警察官の手で薬物犯罪者を5000人以上殺させたという前大統領のドゥテルテ(息子が中国マフィアのせいか中国に甘くて領海を奪われた)などロクでもない大統領もいたけれど、キリノのようなド偉い人物もいたわけだネ。

 《私は自分の子孫や国民に、我々の友となる日本人への憎悪の念を残さないために、この措置を講じるのだ。》

 1953年のキリノの声明だそうながら、妻子を殺された人間の言葉とはまったく思えないネ。中国大陸はじめアジアで殺・姦・焼・奪など犯罪の限りを尽くした日本軍(多くはフツーの日本人)の罪を忘れさせるため、南京事件や沖縄の民間人に自決を強いたことなどを歴史に無かったことにしたがる低能なゲスが日本にいることが恥ずかしい限り! 朝日新聞が2015年に実施した世論調査によると、(同盟国だった)ドイツでは戦時の歴史を学校で「しっかり教わった」という回答が48%だったのに、日本では13%だったという。自民党や維新など政界だけでなく、学校にも歴史を否定したがるゲスが巣食っている現れだネ。こいつ等は「無くす」ことに一心不乱だけど、キリノは被害者でありながらも「赦す」という声明を残した。ゲス達は最低の人間である一方、キリノは人間のレベルを超えた偉人、対照するのも申し訳ない気がするネ。