【見る】レンブラント「夜警」と青木繁「海の幸」との共通性  福田たね(石橋エータローの祖母)

 昨夜BSプレミアムで夜11時から上記の番組(再放送)を見た。1度途中から見た気がしていたので、最初から見ながら録画したい場面があれば録るつもりでネ。4Kで撮影したと番組で説明された気がしたけれど、ボクのテレビは4Kの設備はないから自信はない。ともあれ番組名「巨大スクリーンで体感」のとおりで細部が今までにない鮮明さで見えるので、会場に現れる人はその大きさにそろって驚いていたヨ。また再々放送があると思われるので、機会があったら面白いから絶対おススメだネ。

 中心に並んで位置どっている隊長と副隊長の衣服の鮮明さが克明で、副隊長の金色のコートの縁取りに肉眼では見えそうもないこの市民隊のトレイドマーク「×××」印(画面上方の市民隊旗にも印されている)が刻まれていたのはホントに驚きだネ。この作品については、「集団肖像画」として平等に代金を払ったのに中心の2人だけが細密に描かれているのに、他の連中の描き方が手抜きなので不満が出て以来肖像画を依頼する人がいなくなったと聞いたことがある。

 事実はそれよりもレンブラントの画家としての評価が高まったことが重要とのことらしいけど、夜警とは言いながら実は当時ネーデルランドの支配者たるスペインから独立するための闘いに出発する、市民軍の様子を描いたものとのこと。言われてみれば夜警にしては大仰な集まりだから、独立戦争に立ち上がった市民たちという方が納得しやすいネ。しかしこの絵で不明のままの問題、すなわち中央のチョッと後ろでスポットライトを浴びている少女(ヒコロヒーはオバハンやろ、と言っていたが)が何なのかは誰も言及せずに分からないままで残ったヨ。ヒコロヒーが感じたとおり、この少女だけは他の男たちとは異次元の世界の人物らしいのだけど、少女が腰に下げている鶏(の足)がこの市民隊を象徴するものだという従来の解釈でいいのかな? 「?」はいつになっても消えないヨ。

 

 個人的にはこの女がレンブラントの妻であるサスキアに似ているとのこともあり、青木繁の「海の幸」は「夜警」を踏まえているのではないかという思いを捨てきれないでいる。「夜警」の背景に槍が数本交差しながら立てられているのと、「海の幸」の漁師たちの長いモリ(?)が何本か立てられている構図には共通性がある気がするのだネ。それ以上に「海の幸」の歩行する裸の男たちの間に、なぜか少女の顔が見えるのが昔から気になっているのだネ。これも青木の妻だった福田たねの顔だという説があるのも、レンブラントの場合と似ているので青木が「夜警」の構図を意識しながらイタズラ心でたねの顔を紛れ込ませたのではないかと想像を楽しんでいるヨ。

 福田たねと言えば、その子が福田蘭童でボク等の子供時代のラジオ番組「笛吹童子」の主題歌の作曲家であり、蘭童の子がクレイジーキャッツ石橋エータローなのだと知った時にはビックリしたヨ。学生時代エータローが経営している小さな飲み屋(名前は忘れた)が渋谷駅の近くにあると分かったけど、行かずに終わったネ。傍にあったロシア料理店「ロゴスキー」には何度か行って、饗庭孝男さん中心の『現代文学』の同人会でも呑んだことがあったし、故三好行雄師のご家族と門下生とも利用したこともあったネ。その時は数人でキンキンに冷えたウオッカをストレートで呑んだのだけど(実に呑みやすくて美味い!)、酔ったカッちゃんが店を出るのに精いっぱいでそれ以上歩けなかったのも忘れない(笑)。