【見る・読む】森崎和江「まっくら」  ETV特集  「レイプされたら女は舌を噛み切れ」(谷川雁)

 以下は昨夜、記したもの。ETV特集の情報を流そうと焦っていたのに、書き終わったら「公表する」をクリックし忘れて情報が流せませんでした。アホです。今日は後期高齢者用の保険証が届きました。ボケです。

 

 このところ斎藤美奈子『日本の同時代小説』(岩波新書)を少しずつ読んでいることは記したとおり。1・3章を読み終わって2章を読んでいるところだけど、「一九七〇年代 記録文学の時代」の表題どおりノンフィクションの交流をたどっていて、筆頭に上がるものとして金井景子さんが論じていた石牟礼道子苦海浄土」を解説している。同じ九州出身の女性作家として森崎和江を上げているけど初耳だったネ、2人とも読んでないし。森崎は「からゆきさん」という作品名だけは聞いたことがある程度だったから、「まっくらーー女坑夫からの聞書き」は初耳だった。文字どおり三井・三池炭鉱などの女性坑夫からの聞書き集らしい。

 石牟礼も森埼も谷川雁(のちに吉本隆明と共に同人誌『試行』を刊行した詩人)等と文芸誌「サークル村」を出していたというのは、『試行』の定期購読者でリュウメイのファンだったボクとしては面白いつながりの発見だったネ。それが驚いたのは先日ETV特集の森埼和江を見ていたら、女性坑夫だったかがレイプされたら谷川が女性の立場で動くかと思いきや、「そういう場合、女は舌を噛み切るものだ」と応えたというのだ。資本主義が産み出す犠牲者=弱者のために闘い続けていると思われた谷川雁が、封建時代の男でもあるかのような価値観で発言したのだから、腰が抜けるほど驚いたヨ。このやり取りはボクの記憶で再現しているので、正確には今夜0時からの再放送を見てもらいたい。

 それにしても斎藤美奈子が実によく読んでいるのも驚きだネ。ボクはノンフィクションものはあまり読まないので、作家も作品も聞いたことがないノンフィクションも含めて斎藤が幅広く読んでいるので感心するばかり。先般これもNHKテレビで放映していたミッドウェー海戦を描いた澤地久枝「滄海(うみ)よ眠れ」も、他の澤地作品ともども読んでいるようだ。1つも読んでないボクは「参りました!」と言いたくなるネ。