【読む】学大ニューズレター  掲載されたイチローの文章

 学大ニューズレターについてヒッキー先生に問い合わせたら、これはあくまでも学大国語科の学会が会員向けに配信しているものなので、会員にならなければ配信されないとのことでした。

 というわけなので、会員でない人はこの際に入会することをおススメします。毎年6月の第4土曜日には学会が開催され、懇親会では山田・大井田・千田・イチロー先生はじめ学大の先生方や卒業生たちと呑みながらの話で盛り上がることができます。

 入会希望の人は手続きを教えるので、連絡ください。

 

 いま配信中の最新号に寄せたボクの文章は以下のとおりです。

 

    部活に生きるイチロー            関谷 一郎

 

 1992年に学大に赴任して2014年に定年退職するまで、20年超にわたってマジメに勤務しました。大学卒業してすぐに都立高校定時制に7年間、続いて宇都宮大学教育学部に10年間勤務したので、後期高齢者になった今でも3種類の卒業生と付き合いが続いています。定時制の卒業生とは年に1度の呑み部だけですが、2つの大学の学部卒生や院修了生はじめ非常勤講師で通った立教大や一橋大などの院修了生・学部卒生とは、月に1度のゼミ部や2ケ月に1度の釣り部(主に内房で泊りがけ)の活動を楽しんでいます。志は「清釣雨読」、端的に言えば「部活に生きるイチロー」をやっています。

 ゼミ部は卒業生のみならず現役生も歓迎しているので、「関谷ゼミブログ」の案内を見て関心のある出し物(原則は日本近代の短編小説)だったら遠慮なく参加してください。土日のどちらか午後2時からで会場は国語第一演習室ですが、詳しくはレギュラーのヒッキー先生に訊いてください。

 私の守備範囲は小林秀雄太宰治井伏鱒二など探偵小説以外の昭和文学ですが、仏露の文学で発表(講演)してくれる人もいますし、立教修士中心に江戸川乱歩を発表する人たちや学大修士泉鏡花を取り上げる人もいます。守備範囲以外が多いのでイジメられているように見えるでしょうが、嫌がらずに生涯ベンキョウと心がけて励んでいます。

 

 皆さんはどういう気持で学大の国語コースに入学したのか知りませんが、私の学生時代の印象では学大国語コースの文学専攻の先生方は質量ともに日本一の布陣でした。当時の東大は秋山虔三好行雄(本郷)と越智治雄駒場)のお3方で空前絶後のレベルを誇っていましたが、学大は古典文学5名と近代文学3名というスタッフで東大に負けていない感じでした。そもそも私が専門とする近代文学でも内田道雄・大久保典夫・山田有策という3名のトップランナーが、明治・大正・昭和の文学研究を支えていました。私は昭和文学研究を先導した大久保先生の後任でしたが、現在3名体制が崩される危機に見えるもののヒッキー先生中心に質的には東大に負けていません。ガンバレ、学大生!

 野球のイチローは世界的レベルですが、学大のイチローの業績は図書館などで読めるのでそのレベルの高さを自分で味わってください。

 『小林秀雄 〈関係〉の飢えをめぐって』

 『シドク 漱石から太宰まで』 

 『シドクⅡ 太宰・安吾に檀・三島』