6月10日は横光利一

3日は安部公房の「友達」の力作発表と議論を楽しませてもらいました。
先行研究をなぞる程度かな、と予想していたものの、マンジュとツカサ君が刺激的なレジュメを切ってきました。
ボクも含めて「気持悪い」という感想の多かったテキストでしたが、マンジュは敢えて「男」に同情的な立場ではなく読もうとして、意外な方向を提示していてビックリ!
思い付きに終わらずに、「これもありかな」という読み方ができていて第二次<成長>を感じました。
これなら難物の葛西善蔵論に取り組めるんじゃないか、と期待できまする。
ツカサ君は持ち前の器用さ(バカじゃ持てない)で、ベンキョーしたことをすんなり読みに適用して上級生をも驚かせました。
リオタールの<大きな物語・小さな物語>は1時代前から流行りが続いているようですが、この概念が適用しやすいテクストに違いありませぬ。
「家族たち」をオカルト集団(宗教的イデオロギー)と捉えようが、革命(あるいは社会改良)的集団(政治的イデオロギー)と捉えようが、<大きな物語>に取り憑かれた集団に相違ないからです。
近い時代では(といっても、今の学生は知らないくらい前のこと)連合赤軍のリンチ殺人事件や中国の文化大革命の頃のリンチ殺人がテクストの「家族」に当たるでしょうし、遠くはドストエフスキーの「悪霊」にも同様に殺人事件を起こす「家族」が描かれています。
「悪霊」の事件は実際にロシアで起こった殺人事件がモデルになっていますが、「悪霊」が一時フランス語訳では「憑かれた人々」と訳されていたものがありました。
(思わず長くなってしまったので打ち切って、アフターについて一言。)

期待通り元ゼミ長のジューシー・金子がゼミから参加して盛り上げてくれました。
お土産に酒もケーキも、という気の利くところを発揮してくれたので、久しぶりにトップスのチョコケーキを味わえただけでなく、生まれて初めて「酔鯨」の大吟醸を呑むことができました。
(酒屋に獺祭の大吟醸がなかったので、ということでしたが、同じくらい感動できた味わいでした。
ハルチンが腰痛? とかで不参加だったのは残念!)
たまたま新ゼミ員の歓迎会だったので、大きな花を添えてもらった感じ、さすがジューシー姉さん!
マンジュの希望でシャブリその他のワインを用意しておきましたが(実習明けのマッチも来たのでピッタリ!)、翌日の立教院の授業が心配になるほど酔ってしまい・・・
内臓オンナのユッコリンのためにレバーをゲットしてあったのに、ゼミの途中で帰ってしまったのはアホでした。
新しいツマミとしてキノコの焼き物が出ましたが(センちゃん?)、日本酒にもワインにも合って今後も期待したいもの。
ジューシーと話していると、お互い完璧に気遣いなく言葉が飛び交うので、それもハッピーな気持にさせてくれます。
要するにまことにスムースに下ネタが出てヨドミない、といった感じ。
傍で聞いてた現役女子が唖然とするくらい、ジューシーの下ネタへの乗りは自然でありました。
同じ女性でも、昼間OKストアで会ったチョー美人のエイリン(センちゃんはジューシーの可愛さに驚いてましたが)と比べると、我ながらこうも違うかと苦笑が出ます。
ストアに行く途中でエイリンらしい子連れ女性の後ろ姿を見かけたので、自転車で寄って行くとご当人。
なんで私だと分かったんですか? と聞かれて、「オマエの後ろ姿には特徴があるからダ」とつまらない返答をしたのを思い出しつつ、これがジューシーだったら「女はケツで分かるもんなんだ」と自然に応じたであろうと思うと、「言葉の魔術師」を自称するイチローの面白さを引き出すには、それなりの相手が必要だと判明。
(アフターは一言で済ますはずだったのに、つい・・・これもジューシーのせいか?)

ともあれ来週は、ボクの希望を生かしてもらって「南北」。
といっても、20年以上前に読んだきり。