イチロー先生は芸人です

一昨日のブログに記したが、矢野クンに見抜かれたようにイチロー君は、浅田彰センセイが言う意味で紛れもなく「芸人(道化)」です。
繰り返すと、《メタ・レベルとオブジェクト・レベルの両方に足をかけているという事実をやすやすと受けいれ、それを笑いとともに生きる存在なのだ》ということ。
現役の学生とはやりとりしないけれど、卒業生と年賀状をやり取りするのはジンセイの楽しみだと思っている。
毎年近況報告をもらうのも嬉しいけど、出す側としてはウデに磨きをかけて「言葉遊び」をするのも楽しみの一つ。
イチロー先生の賀状を読むのが楽しみ、という反応を読むと賀状は止められない。
以下に例示するのも「言葉遊び」だけれど、いつもと違うのはこの年は鼠径部(そけいぶ=ポコチンの上部)のヘルニアの手術をしたばかりだったので、それをネタにして遊んだ傑作。
立教大学名誉教授である朝比奈誼(よしみ)先生が、「自分をネタにして笑わせる」と呆れながら感心した《作品》である。
オブジェクト・レベルの自己を、メタ・レベルの自分が自虐的に笑い飛ばす技巧
横書きになると味が落ちてしまうのが惜しいが、まずはどの程度ご理解いただけるか自分を試してみて下され。

「ダ○チョーの思ひ」も癒えて春迎ふ (「ン」ならぬ「ツ」)
ヘルニアはナルニア国のすぐ隣 (ハ行とナ行の差)
脱腸者(ヘルニアン)ダルタニアンもその一人 (話題の「三銃士」の主人公) 

去んぬる秋、恥ずかしヶ丘(恥丘)上部に更なる小丘を発見し、恥の上に恥を重ねたりと「断腸の思ひ」。心ひるがへして「この丘、二本目の生える兆しなるべし」と思ひなしてみれば活力百倍。しかはあれ医者の門をたたけばヘルニアと判明し、「脱腸の憂ひ」を嘆くこと数刻。かくて幻の二本目を抑さへる手術も無事終り、経過を「関谷ゼミブログ」に記せり。

前の三行が川柳だけれど、「春迎ふ」で新年を表していて、ナルニアはれっきとした世界文学作品名で、「三銃士」は当時三谷幸喜の人形劇が評判だったので使った(今、再放送中)。
もちろん主人公のダルタニアンがヘルニアだったはずもなく、音が似ていたので失敬しただけ。
真面目過ぎるイメージの学界人(重鎮女性)が繰り返し読んで楽しんだ、と感想を寄せてくれたのを忘れない。
チョッと下ネタ気味の身体の話題を自虐的にピックアップする手際は、爆笑問題ペアの田中が睾丸の片方を切除した時に、ペアでネタにしていたのと同じ。
どちらが先かは不明だけれど、「芸人」の手口としてはイチロー先生も爆笑の2人と同然ということです。